※こちらの内容は、2023年6月29日のオンラインセミナー配信の内容を基に記事にしております。
先日行いましたオンラインセミナー配信の後編になります。
※【前編】はこちら
気になるトピック…。
自分自身でいっぱいいっぱいだったので、あまり世間を見れてないですね。(笑)
あんまり追いかけてない感じですか?
今は確かにそうですね。
ただ開業して思ったことがあって、めちゃくちゃどうでもいい話ですけど…。
ぜひ聞きましょう。(笑)
自費治療に、痛みの緩和というより、姿勢とか美容が目的で来られる方がめちゃめちゃ多いなと感じますね。
健康保険を使わずに、自費のメニューで姿勢の改善や美容鍼の患者さんのニーズがすごい多いなというのは、開業してめちゃめちゃ思いました。
なるほど、開業してから気づいたことなんですね。
そうです。(笑)
僕も開業して感じたんですが、やっぱり怪我は整形が多いですね。
そうですよね、整形が多いですよね。
社会的な認知度として、整骨院って、整体やマッサージしてくれるところ、最近だと美容鍼とか姿勢とかを診てくれるところという感じですよね。
そういうマーケティングやブランディングをして成功してる医院が増えてきているので、接骨院ってそういうところって一緒くたに見られているのかなぁと感じますね。
なるほど、そういうことですね。
積極的にいろんなところがそういうブランディングをしてくれているので。”してしまっている”という言い方のほうがいいですかね。
こっちは何も告知していないのに、そういう人が来るんですよ。
そういうことですね。
「鍼灸院」って看板に書いてあるだけで、「美容鍼できますか?」とか聞かれます。
美容鍼の需要が本当に多いので、美容鍼の看板を出しました。
やっぱり来られたらされるんですか?
それはもちろん。(笑)
僕そもそも美容関係が好きで、東京に美容鍼を習いに行ってたこともありました。
最初は痛みとか外傷をしっかり診たいと思ったんですけど、思った以上に美容鍼の反響があって、経営上の問題もあったので、美容鍼もしっかり取り入れないとなぁということでやってます。
なので、”美容と外傷が診れるところ”です。
すごくリアルな経営の話をすると、美容の方が単価が高いですよね。
そうですね、全然単価が違いますよね。(笑)
あまりエネルギーも使わない感じですよね。(笑)
施術はめちゃくちゃ大事ですけど、鍼は体力を消耗せずに頭を使ってやるものだなとつくづく思います。
鍼を刺せば、その間は手が空きますでしょうから、そういうメリットもありますね。
…これ「外傷について」の回ですよね?(笑)
外傷をせずに美容やろうぜって話じゃないですよね?(笑)
もちろん外傷も診てますし、今後も診ていきたいと思うので、トレーナー活動を行なって、現場の生の外傷をしっかり診たいなと思います。
すばらしいと思います。
僕は今、柔整の学生たちと触れ合う機会が多いんですけど、両極端になっているという印象があります。
1つは「スポーツ外傷を診たくて柔整師になったんです」っていう、これまで通りの先生の卵たち。
もう1つは週休2日で初任給25万とか、就労に関する条件を見てきた子たち。
最初の子たちは、医療ができる、スポーツで診れる現場を選びたいというスタイルなので、そこが結構はっきり別れてるんだと思います。
安良田先生はその点、若手の先生や学生の子どもたちに対する印象はどうですか?
外傷に対する熱意とか。
そうですね。
両方にメリットがあると思うんです。
でも僕が選ぶなら明らかに前者ですね。
やっぱり若いうちに学んだ事は、絶対に基盤になると思うんです。
その基盤が、一生柔道整復師として、自分が提供するものになっていくと思うので、やはり最初の基盤がグラグラだと柔道整復師としても、成功しないとは言い難いですが、一生懸命基盤を作ってきた人とは差がついてくると思います。
最初の3年間はめちゃくちゃ大事な時期だなと思いますね。
なるほど。
なので卒業後の3年目までは、死ぬ気で働け!と思ってます。
お、いいですね。(笑)
昭和の野球部の匂いがします。(笑)
僕はそれにすごい共感できるんですけど、今の働き方改革って、就業時間や残業減らせとすごい言われる現代社会ですけど、なかなかそういうチャンスって少なくなってるなと思うんですね。
現代において、”死ぬ気で働く”って、どういうアクションをすれば頭ひとつ抜けれますか?
1つ1つの症例に向き合うかがめちゃめちゃ大事だと思います。
これは整骨院に行っても整形外科に行っても一緒だと思います。
1つの腰の痛みがあったとして、マッサージして帰ってもらって、また1週間後に来て、症状聞いてっていうのを繰り返しているだけだと、絶対成長しないと思います。
その患者さんはどういった原因でそうなったかを、患者さんがいないところでもしっかり突き詰めます。
その人の症状がなんだったのか、分からなかったら放っておかずにすぐ調べるというのは、めちゃくちゃ大事だと思います。
自分が勉強したことをしっかり患者さんに伝えていくことが1番成長に繋がると思うんですね。
皆さんがよくおっしゃる、アウトプットするって事は口だけじゃなくて自分の技術に関しても言えると思うので、しっかりひとつひとつの症例を大切にするっていうのは、整形外科にいようが整骨院にいようが、一緒だと思います。
なるほど。
1つ1つにしっかり向き合って行くのは、めちゃめちゃ大事かなと思います。
診た症例が1個より、数が多いほうがいいですよね。
10個より20〜30個診た方が良いという事は、やっぱり人より現場にいる時間を長く確保するとか、自分で工夫して時間を作って診るのは大事ですよね。
そうですね。
なのでそういう環境に身をおくのが1番大事かもしれないですね。
嫌でも見なきゃいけない環境ですね。
整形外科は何時から仕事をしてたんでしたっけ?
朝6時に出勤して、夜11時ぐらいまでいました。
大変ですね…。(笑)
身を捧げてますね。
これも勉強です。
でもそのおかげで今は自信を持って話せることもいっぱいあるので、やってきて良かったなと思います。
なので、学生さんもこの配信を見られているかもしれないんですけど、卒業後の研修機関というのは、ぜひとも慎重に選んでいただく必要性があると思います。
全国には良い経験がいっぱい積める場所はありますので、それを自分で探すのも1つですけど、元原先生や僕はいっぱい知ってるので、聞いていただければ、その辺はご紹介できるかなと思います。
本当にそうですね。
きちんとしているところの情報は入ってきますし、僕も行ってみてさすがだなぁと思うところはありますね。
同期とか先輩のモチベーションもかなり自分の成長に影響するなと思っているので、安易に就労時間とか給与で選ぶのはもったいない気がしますね。
そうですね。
そういうのは学んだ後にやることですね。
いくらでも回収できますよね。
そうですね。
この辺をもっと強い言葉で深掘りしていきたいんですけど、それをやっちゃうとただの野球部の会話になっちゃうので、時代に合わせた話もしていきたいと思います。
そうですね。
でもプライベートももちろん大事ですよ。
最近それを思い始めました。
なるほど、木曜日がお休みでしたよね?
何かライフワークバランスを考えてるんですね?
そうですね、あんまりやり過ぎるとやっぱり体の不調が出てくるんですよ。
安良田先生おいくつですか?
30歳になりました。
おめでとうございます!
大台にのりましたね。
ありがとうございます!
これも話が全然それちゃうのでやめとこうかな。(笑)
外傷診てた先生が開業して、30歳になった現在値を知りたい人もいると思うので是非!
自分の店を持つのはめちゃくちゃ大変なことで、ストレスも凄いので、1週間くらい腹痛に襲われることがありました。
近くの内科に行ったら「ストレス性の胃炎」って言われました。
冷や汗が出るほど痛かったんですけど、怪我をしてる患者さんが待ってると思うと休めなくて。
正に身を削っていくわけですね。
自分の体調を崩してしまうと元も子もないので、休息も必要だなと最近ちょっと思うようになりました。
日々のストレスとか疲れをコントロールするために心掛けてることって何か具体的にありますか?
僕はサウナですね。
世に言う、サウナーでございますか。
ちなみに今日も、セミナーとセミナーの間に行ってきました。(笑)
まずセミナーやって、からのサウナ!からのセミナーですね!(笑)
僕もブームが来て乗っかったクチなんですけど、サウナはいいですよね。
週2回サウナ行くことをこの2年くらい続けてます。
だいぶサウナーですね。
確か福岡にすごくリッチなサウナがあるんですよ!(笑)
お、いいですね!(笑)
…まぁこれは全く関係ない話になっちゃうので、また後でお伝えしますね。(笑)
分かりました。(笑)
外傷で整骨院を立ち上げたけど、日常の中でも疲れとか溜まるよねっていう話ですね。
まだトークの時間に余裕があるので、その間に参加者様から何か質問があったら答えるようにしましょうか。
そうですね!
それまでは安良田先生とお話しして繋ぎましょう。
外傷、骨折脱臼についてですよね…。
ちなみに元原先生は骨折脱臼、今も結構診られてるんですか?
移転オープンして9ヶ月になるんですけど、月間2~3日に1件くらいの割合で捻挫は省いて骨折脱臼が来ますね。
すごいですね!
なので週に2〜3回は固定してます。
それは9ヶ月で積んできたもので、固定して学校に行くと心配されるわけですよね。
それで「どこでやったの?」「あそこでやったよ」っていうことで、部活内とかその親御さんの中で広まっていく感じですね。
ちなみにどこの骨折が多いですか?
大きい骨折は少なくて、手先と足先がどうしても多いですね。
整復が必要な母趾の基節骨骨折も来て、実際に引っ張ったりしました。
お、すごい。
引っ張る前と引っ張った後のビフォーアフターというのを、エコー写真で患者さんに見せれたっていうのがよかったです。
整復の時エコー写真があると便利ですね。
継ぎ目がきちんと、両線がなだらかになっているか見せれるのはいいなと思ってますね。
現場で骨折を見るとどうしてもワクワクしてしまって、声が普段よりワントーン上がってしまうのが柔整師としての性なのかなと思ってしまいますね。(笑)
外傷が整形やってた時と比べて全然診れてないのが事実なので、もっと診たいっていうのが正直すごくありますね。
来るのは来るんですけど、「大きいの」が診たいって願望があります。
そうですよね。
コーレス引っ張りたいですよね。
治しがいがある…というか、しっかり整復してがっちり固定してっていう感じの方に来院いただけるように、今後しっかりとラインを作っていかないといけないと思ってるところですね。
時間が必要だなという結論に至ってるんですけど、きちんと治してくれるっていう噂が広まっていって、どこかにヒッティングポイントが来てバーっと増え出すと思ってるんですね。
そこまでは地を這うような経験を時間をかけていくのかなと思ってます。
…あ、ここで参加者様から質問が届きましたので読み上げたいと思います。
「美容鍼を実施している鍼灸接骨院は増えていますか?」
安良田先生が対象だと思うんですけど、需要はエリアを問わず増えていますか?
福岡の地域も含めていかがですか?
明らかに増えていると思います。
需要というより、一度やってみたいという興味の方が多いので、そこでしっかり成果を出せば需要は上がってくるかなと思います。
なるほど!
興味が美容鍼に関してはすごい多いと思いますね。
女性に聞いたら、やってみたいと言う方が殆どですね。
それはやはり、インスタとかTikTokで目にする機会が増えたってことがあるんでしょうね。
そうですね。
ポキポキ整体の層が広がっているなと感じていて、僕の医院に来られる方も、「ポキポキっていいんですか?」とか「ポキポキやってるんですか?」とかおられるんですけど、その辺はどうお考えですか?
スラスト法って厚生労働省で禁止されてますよね。
なのでそれを説明します。
ちゃんとしたカイロプラクターならいいと思うんですけど、危険なこともあると思うので、「我々柔整師は危険な面も含めて勉強したことないし、やってないってはっきり伝えて、やってもらうんだったらちゃんと資格のあるカイロプラクターに行った方がいいですよ」って案内もします。
全く同意です。
脊椎専門医のお医者さんと交流する機会が多いんですけど、あれで脊髄損傷して緊急搬送されてきた症例をいくつか見てるそうなんですね。
そういうのも含めて、あれは基本的にないですねっていうドクターの意見もあるので、僕もそれを採用させてもらってます。
ただ見栄えがいいですよね、あれは。(笑)
そうですよね、スッキリしちゃうのもありますよね。
イイネを獲得しやすいとか、リールで再生回数が伸びやすいというメリットはあるんですけどね。
美容鍼も見栄えがいい種類ではあると思うんですけど、危険性はないと判断していいんですか?
鍼は、内出血のリスクとかをしっかり説明した上で行えば良いと思います。
美容鍼はすごく変化が出るので、僕自身すごい良いと思ってます。
やってる側としてもありだなという感じですか?
やった後に効果をすごく実感していただけるので、美容鍼はすごいいいものだなって僕自身思います。
鍼灸整骨院の中でも美容鍼を採用しているところは増えていて、かつエリアは問わず増えているってことですね。
SNSの時代ですから、皆さん1度は美容鍼を目にしたことがあるんじゃないかと思います。
よく「芸能人の○○もやってる」とか「1発で小顔に…」とかのイメージがあるみたいです。(笑)
やっぱり、芸能人がやってる美容鍼を1回受けてみたいっていうのがすごいあるみたいですね。
安良田先生のお考えをひとつ聞きたいんですけど、顔に鍼刺しまくってる画像があるじゃないですか?
あれは是なのか非なのか?
何本までだったらOKとかありますか?
やっぱり鍼を刺すのには目的が必要だと思います。
無駄な1本はないと思います。
あれはターンオーバーを促すので、多くの組織に刺激を与えるために多くの鍼を刺すのは、意味のある施術だと僕は思います。
なるほど、じゃあ多ければ多いほど効果があると考えていいんですね?
場所によって内出血のリスクが出やすい部分があるので、むやみやたらに打つと内出血がバーっとでちゃって本末転倒になる場合もあるので、それを了承の上でやるのはありだと思います。
施術の説明を事前にして、同意を得ておくのが大事なんですね。
そうですね。
安良田先生、ありがとうございます。
そろそろいい時間になってきましたので、今回のまとめとさせていただきたいと思います。
安良田先生、今日は本当に貴重な機会をありがとうございました。
ありがとうございました!
このような機会を設けてくださった柔整ドットコム運営の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
今回は外傷、骨折、脱臼に関する考え方やHow toを安良田先生と一緒にいろいろディスカッションさせてもらったんですが、参加してくださった方や記事として読まれる先生方の、何かひとつ為になればいいなと思っております。
安良田先生は実際に整骨院を開業して、外傷が整骨院で診れるのかっていうところをリアルに実感されてると思うんですけど、時間が更に経ってくると環境も変わってくると思うので、何かしらのタイミングでまたお聞かせくだされば嬉しいなと思います。
はい、ありがとうございます。
では安良田先生、今日ご参加くださった方に何かひと言メッセージいただければ。
今日話がそれたりしましたが、外傷は診ててめちゃくちゃ面白いですし、さっきも言いましたが1件たりとも同じものはないと思います。
追い詰めれば追い詰めるほど、自分の中でワクワクドキドキするようなものなので、外傷が診れないから悪いってわけじゃないですけど、もし興味があるならしっかり外傷の経験をしてもらって、外傷を診れる柔道整復師になっていただけると、柔道整復師としても良い道が歩めると思います。
何かあったら、元原先生や私に聞いていただけたら何でもお答えしますので、外傷が診れる柔道整復師を目指していただけたらと思います。
はい、ありがとうございました。
何かあればいつでも連絡ください。
ということで皆様遅い時間にご参加いただきありがとうございました。
また機会があればよろしくお願いいたします。
ありがとうございました!
ありがとうございました!
今回はオンラインセミナーという形式で行わせていただきました。
オンラインセミナー参加者様はもちろん、ご出演いただきました元原先生、安良田先生、お時間いただき誠にありがとうございました。
柔道整復師
元原 誠吾 先生
整形外科 副院長経験ありの柔道整復師
年間1000例の手術に帯同、500例の外傷処置経験あり
1回/週 ストーリーズ 病態鑑別クイズ
セラピスト診断学研究所 第一期運営メンバー
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柔道整復師
安良田 卓也 先生
ARATA 鍼灸整骨院 院長
オンラインサロンHCR代表
セラピストのための病態判断学『柔道整復師、鍼灸師が本物の医療を提供できる未来へ』発信
ここからはフリートークとして、本音とか近況報告も交えつつ、ためになるようなお話ができればいいなと思います。
安良田先生の中で、業界のことやこれからの流れなど、最近気になるトピックってありますか?