【現役柔道整復師が考える】どんなヒトが柔道整復師に向いているか

今回の柔性ドットコムコラムも、私鈴木が担当します。

前々回は私が一般企業を経て、柔道整復師となった経緯、前回は整形外科で勤めていた内容でした。

今回は私の視点から、柔道整復師という職業に「こんな方は向いている」、逆に「こんな方は向いていない」というのテーマにしたいと思います。

あくまで私の個人的意見なのでご了承ください。

※前回、前々回のコラムはこちらから

私が考える「服装」や「身なり」

まず真っ先に挙げることとしては、

身なりをきちんと出来るヒト。

これに尽きます。

私たちはサラリーマンのようにスーツや背広を着て出勤はしないため、私服を来て出勤します。

ただ、街中で患者さまとバッタリ会うことは日常茶飯事だし、こちらが気付かなくても患者さまは気付かれる場合があります。

患者さまはわざわざ教えてくれません。

自宅から1歩外に出れば、常に誰かに見られてると意識した方が良いです。

そして勤務先に出勤し、いざ白衣や作業着に着替えたあとに

その着衣に「汚れがない」「ボタンが外れていない」などを気遣えるヒト。

私たちは「先生」と呼ばれる仕事をしてます。

その「先生」の衣服に汚れがある、ボタンが無いなどがあった場合、患者さまへどう伝わるか想像してみてください。

患者さまへ信頼感や安心感を与えることが出来なくなってしまっては、その方は「先生」と呼べないと私は思います。

私が考える「理想の人物像」

結論からお伝えします。

私が経験してきた中で、私が考える理想の人物像は、

バランスの取れたヒト です。

この業界はそれなりに有名な方がおり、その先生を心酔される方も多くおります。

それはそれで良いことだと思うのですが、私たちが相手にしているのは、あくまで人間です。

人間は時代と共に変化していきます。

そのため、一括りの「○○法」だけで対応出来るわけがありません。

一括りの考えだけに心酔した状態で患者さまに対峙しても、偶然患者さまの症状が良くなることはあっても、最終的には失敗すると思っています。

これでは「木を見て森を見ず」の現代医学と何ら変わりません。

そのため時間はかかりますが、患者さまの全体像をさまざまな角度から診れる人物が理想だと思います。

前回、前々回のコラムなどで少し触れましたが、私は多くの方々にお世話になり影響を受けました。

その中でも私が印象に残る以下3名をご紹介したいと思います。

1人目は、柔整学生時代にお世話になった治療院の院長。

とてもやり手で、治療院としては非常に多くの患者さまを抱える院でした。

この院長からは、治療手段を学ばせていただいたのは当然ですが、それよりもどうやれば繁盛するのかを学んだ気がします。

2人目は、現代の医療機関では考えられないような、赤ひげ先生みたいな医師。

この方は、休診日でも緊急時は病院を開け応急処置していました。

地元では大人気の先生で、この先生を見ただけで痛いところが治ってしまうような、素晴らしい生き様の先生です。

この方の元では「ヒトには感情があり、多かれ少なかれ不安や心配事があると痛みが増す」ということに気付かされました。

つまり、「病は気から」というのは本当に存在することを実感させていただきました。

3人目は、前々回のコラムで触れた、元日本サッカー代表専属トレーナーの柔道整復師です。

この方の良さは、自分の経験や知識を惜しみなく私にも教えていただけたことです。

とある漫画にこんな一文がありました。

「病と疾患は違う」

疾患:
医学的に説明が出来る、客観的な症状や身体の異常

病:
その疾患を通して受ける不便さや感情の変化など

普段、「疾患」と「病」の違いなんて考えたこと無いのではないでしょうか?

私たちは、その両方を診ていかなくてはなりません。

それこそが、整形外科医、理学療法士との大きな差別化に繋がると私は信じてます。

これから柔道整復師・鍼灸師を目指す方々へ

みなさんは、自分の意思でこの業界に進もうとしましたか?

それとも、ご家族や友人に誘われて学校を受験しましたか?

私の場合は、サラリーマン後の決断なので前者ですが、もし後者の方がこのコラムをお読みであれば是非伝えしたいのが、資格はあくまでも国から「施術していいよ」という許可証なようものにすぎません。

資格は単なるスタートで、世の中似たような資格が数多くあります。

学生の頃からチヤホヤされ、クラスメイトや知人から「先生」と呼ばれ、俺スゲーと勘違いするような人間もいる業界です。

「なぜ自分が柔道整復師になったのか」を出来るだけ早く、かつ正確に答えられるようにしておくことが大切です。

この際はっきりとお伝えしますが、面接や面談時「なぜ柔道整復師になりたいと思ったのか」という質問に対して、「将来の保険が効くから」「食いっぱぐれることがない資格だから」という答えは通用しません。

私が知る限り、こういった理由で柔道整復師になられた方は、ほぼ食べていけず、途中で挫折します。

残酷ですが、世の中そんなに甘くはありません。

私たちの業界は「開業してもその9割は潰れる」といわれる世界です。

また閉業してしまえば働ける場所も限られます。

常に自分を高めることと、社会の動きや流れを掴んでおくことがとても重要です。

学生のときは、先生からやるべき事を提示され、更には尻も叩いてもらえます。

しかし、一度社会に出ると、自分でやるべき事は自分で見つけていかないといけません。

誰も何も言ってくれません。

そのため、1日も早く覚悟を持って、一緒にこの業界を盛り上げていただきたいです。

覚悟とは「目標」を持つことです。

自分なりの目標を持つと、自然と今日何をやるべきが分かってきます。

目標は小さくて構いませんが、「○○のことなら他の誰にも負けない」というような気持ちをもたないといけません。

そこにヒトが集まり、他の情報も集まるからです。

そうすればどんな状況になろうが生き残っていけると私は信じてます。


執筆者情報

柔道整復師・鍼灸師
鈴木 忠昭 先生

2003-2013年 整形外科リハビリテーション科へアルバイトを経て就職。
ほぼ同時期に高校アメリカンフットボール部トレーナーさらにJリーグ、アスレティックリハビリテーションの一般トレーナー向け講習会補助に携わる。

2008年より整形外科リハビリテーション科に勤務しながらフィットネスクラブで治療院を開業。
2015年より整形外科リハビリテーション科を退職しフィットネスクラブ内の治療院を継続。
現在2店舗運営し、デーサービスにてリハビリ応援も行う。

その他、商品開発後の評価も行う。

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