【女性柔道整復師が答えます】女性ならではの働き方のお話

※写真のモデルはイメージになります。

女性柔道整復師の現在

例年、柔道整復学科には約3割ほどの女性生徒がいます。

同学年にはクラスの半数を占めることもありますが、鍼灸学科に比べると女性生徒が少ないというのが実情です。

10年程前までは男性の職業としての認識が強く、クラス約30人に対して女性はたったの6人という年もありました。

女性柔道整復師が数少ないということもあり、就職時女性を希望される接骨院も数多くあります。

女性柔道整復師が求められる要因としては、

  • 女性患者様の対応や、きめ細やかな目くばり
  • 患者様の心の拠り所を提供する

など柔道整復師業に加え、女性が本来得意とするスキルをプラスで求められているからだと思われます。

特に女性患者様の中には、男性施術者に身体を触られることに抵抗がある方もおられるため、女性施術者が在籍する院を探され来院される方も多いです。

男性施術者が女性患者様を施術する際のトラブル軽減、よりスムーズな運営を進捗させるため、女性柔道整復師はとても必要とされています。

柔道整復師の勤務形態について

柔道整復師免許取得後、従来の接骨院・整骨院に勤務の場合、定休日・営業時間には各院ごとに多少な差はあるものの、

  • 月曜日〜日曜日までのうち、週休2日~2.5日の休み(平日1日・土曜日半日休・日、祝日休み など)
  • 営業時間 午前9時頃~午後7時or午後8時頃まで(お昼休み 2時間〜2.5時間)

のところが比較的多いのではないかと思われます。

なかには日曜日・祝日も営業したり、就業時間が午後10時頃まで営業される院さんもあります。

前述のような場合は、病院勤務の際も似た様な働き方になるケースが多いです。

整体院やリラクゼーションのような資格を持ちつつも、従来とは違う働き方を選ぶ場合、フリーランスのような形態であれば、自分の好きな働き方を自分で選べるといったメリットもあります。

女性柔道整復師として働く際の悩み

必ずしも女性柔道整復師としてだけではないのですが、女性がフルタイムで働くうえにはいくつかの悩みも発生します。

まず資格取得後就職し、何年か働いた後の結婚・出産です。

結婚に関しては名前が変わるだけなので資格の名称変更手続きを取るだけですが、出産となると柔道整復師としてのキャリア積みから一旦離脱し、出産・子育てに専念しなくてはなりません。

復帰はそれぞれなので早ければ3ヶ月頃から、一般的には1年後になる方が多いと思われます。男性が育休を取られるケースもありますが、まだまだ日本では少数派です。

このため、やはり男性が働き続けることのできる環境、女性はその環境を望んでも難しいという現実がデメリットとして上げられます。

メリットとしては、男性には絶対に経験できない出産を経験できるという面です。

女性柔道整復師のメリット

出産を経験することで業務の一線から外れてしまうデメリットがあるものの、男性が絶対に経験できないことを経験できるという面では、その経験を大いに活かすことが出来ます。

接骨院業としてだけでなく産後ママさんのケアに特化したものを立ち上げたり、運動指導なども経験者から指導してもらう方がより説得力があり、一理解者として心が開きやすい環境作りが可能になります。

これは女性だけの強みです。

女性柔道整復師のデメリット

上記に述べたデメリットのように、出産し柔道整復師としての業務の一線から外れるだけではなく就職先の規模にもよりますが、産休・育休の取れるパターンと、辞職を選択しなければならないパターンがあります。

整形外科などの規模の大きい病院勤務の場合には産休・育休も取りやすいかもしれません。

スポーツチームなどに専属するトレーナーに関しては、離脱が長い程選手との関わりが遠ざかること、育児をしながら休日の試合などに帯同する時間などを考え、復職を断念される方も多いと思われます。

また、保育などが平日(月曜日〜土曜日)最大19時までの預かりを考えると、夜8〜9時頃までの労働や、日曜日・祝日の出勤は難しくなってしまいます。

女性柔道整復師としての将来の見通し

柔道整復師として資格取得した後、女性柔道整復師として働く際、ある程度先までの将来の見通しを立てておくと、いざという時にも焦ることなくスムーズにことを進めることができます。

店舗や施設での経営側に立ちたいのか、就労者(雇われる側)になるのかで大きく別れてくると思います。

経営側
  • 経営のノウハウ
  • 何年後からの始動か(その間に結婚・出産があるのかないのか)
  • 接骨院・整体院をやるのか
  • それ以外のコンテンツで頑張っていくのか
就労者(雇われる側)

結婚や出産をした際の対応の可否
※休日・労働時間・産休育休を取らせてもらえるのか など

が挙げられます。就労者あれば、あらかじめ面接時に聞いておくことも大切だと思います。

資格取得と同時に経営側になるにしても雇われる側になるにしても、将来のプランを幅広く見通すことが重要です。

女性として結婚・出産の有無も視野に入れ数多くのパターンを考えておくことで、自身がどの道に進もうと悩むことなく進んでいけることができるはずです。


執筆者情報

柔道整復師
上垣 美妃 先生

【経歴】
朝日医療専門学校広島校卒
卒業後接骨院に3年勤務
出産育児のため3年専業主婦をし、2児の子育てをしながら令和元年に独立開業

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