現役柔道整復師が語る、プロとしての「大切なこと」とは

患者様に寄り添い、苦痛を取り除く手助けをする柔道整復師は、とても素晴らしい職業だといえます。

その柔道整復師になるには、知識と技術を勉強し、国家試験に合格しなければなりません。

しかし、国家試験に合格し晴れて柔道整復師になったからといって、それだけでは一人前の柔道整復師とは呼べないと私は考えてます。

それでは、柔道整復師にとって「大切なこと」とは一体何でしょうか。

今回の記事では、柔道整復師を志している方やすでに柔道整復師として勤務されている方向けに、柔道整復師にとって然るべき「大切なこと」についてお伝えできればと思います。

「大切なこと」とは何かを解説する前に

・柔道整復師にとっての「大切なこと」って何だろう?
・一人前の柔道整復師になるにはどうしたらいいんだろう?

といったことについて解説する前に、みなさんにお伝えしておきたいことがあります。

  • 国家資格
  • 技術
  • 知識

柔道整復師にとって「大切なこと」というと、上記の3つを思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろん、国家試験に合格し、柔道整復師という国家資格を持っていなければ「柔道整復師」を名乗ることはできません。

また、身体についての知識や、怪我を治すための技術を身につけていなければ、患者様の症状を改善することは難しいでしょう。

よって、上記の3つは柔道整復師にとって絶対になくてはならないポイントです。

しかし、私が考える「柔道整復師にとって大切なこと」とは、これら3つだけではなく、たくさんあると考えてます。

柔道整復師にとって『大切なこと』

次に、「柔道整復師にとって大切なこと」を詳しく解説します。

上記で紹介した3つについては、柔道整復師として当たり前のように備えていなければいけないポイントです。

ただ私にとっては、以下も大切なことと考えてます。

柔道整復師として患者様と対面していく際、最も大切なことをいくつか解説しますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

コミュニケーションスキル

柔道整復師にとって大切なこととしてはじめに挙げるのは『コミュニケーションスキル』です。

柔道整復師としての働き方はさまざまですが、共通しているのは対人関係で成り立っているという点です。

接骨院でも、整体院でも、介護施設であったとしても、柔道整復師は人と対面して仕事をしますよね。

柔道整復師は「この患者様は何が辛いのか?」「どんなことを訴えているのか?」を細かく読み取らなくてはなりません。

すべての患者様が痛い箇所、辛いことをうまく言葉で話してくれるとは限りません。

コミュニケーションを積極的に取り、柔道整復師自らが患者様の訴えを感じ取らなければならないのです。

また患者様は柔道整復師の業務範囲である運動器以外の辛さを訴える場合もあるでしょう。

例えば、精神的苦痛が原因で運動器になんらかの症状が発生している場合などですが、うまくコミュニケーションを取ることで早期に症状が改善されることもあります。

そのため、柔道整復師にとってコミュニケーションスキルは非常に大切なことであり、必須のスキルといえるでしょう。

責任感

柔道整復師にとって大切なこととして『責任感』が挙げられます。

責任感は、柔道整復師に関わらず、すべての職業において大切なスキルでありますが、柔道整復師にとってはより重要となります。

患者様は『痛み』『辛さ』など、何らかの不調を訴えて柔道整復師の元へやってきます。

柔道整復師は、それらの症状を取り除き、1日でも早く患者様を楽にさせてあげなければいけない使命があるのです。

そのためには、一生懸命仕事に取り組み、ひたむきに勉強し、熱心に施術や治療に取り組まなくてはなりません。

それらを行なうには「絶対に自分が患者様を楽にさせるだ!」という責任感が必要です

・8時間勤務していれば、とりあえずOKだろう
・電気とマッサージしておけば、そのうち治るだろう

などといった適当な考えでは、例え患者様の症状が改善されたとしても柔道整復師のおかげとは言えません。

患者様からの信頼も得ることは難しいでしょう。

健康な身体

意外と忘れてしまいがちですが、柔道整復師にとって『自分自身の身体の健康』は非常に大切なことです。

患者様の身体を治すには、まずは自らが健康でなくてはなりません。

これには理由としては2つあり、いつ患者様が来院しても良いように、常に体調を整えていなければいけないということが1つ。

困った患者様が来院したのにも関わらず、肝心な施術者が体調不良で欠勤などをしていては、何の意味もありません。

2つめは、患者様に健康に関する指導をするのに、自分が健康でなければ説得力に欠けてしまうということです。

例えば、肩こりで困っている患者様に対して、姿勢の悪い施術者が「あなたの肩こりは猫背が原因です」と言っても、説得力はありませんよね。

太っている人に「痩せましょう!」と言われるのと同じで、人に指示、指導をする前にまずは自分の身体が健康でなければなりません。

生活リズムが乱れていたり、生活習慣が良くないという自覚のある方はぜひ注意してみてください。

まとめ

柔道整復師として患者様に向き合う場合、

  • コミュニケーションスキル
  • 責任感
  • 健康な身体

の3つは非常に「大切なこと」と私は考えてます。

もちろん、国家資格の保有や豊富な知識、経験も大事ですが、それらは柔道整復師として当たり前のスキルです。

どんな患者様からも信頼される柔道整復師になりたいという方は、ぜひ今回紹介したことを意識してみてくださいね。


執筆者情報

柔道整復師
高橋 直斗(たかはし なおと) 先生

【経歴】
国家資格取得後、国内大手の整骨院グループにて7年勤務し、院長を経験。
その後自費整体院に院長として転職し、1年間自費整体を経験。
現在は東京都内にて専門学校時代の恩師が経営している整骨院に勤務。
主に慢性症状などの自費整体を担当。
来夏2店舗目である整体院を埼玉県内に出店予定。
『猫を愛し、猫に愛される整体師』として活躍中。

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