【柔道整復師の十八番 手技について】地方移住で整骨院をはじめた話 その3

柔整やってますか?

柔道整復師の長田(おさだ)です。

今回は私が地方移住をして整骨院を開業したお話しに加え、柔道整復師の十八番でもある手技についてお伝えしたいと思います。

※前回のコラム(地方整骨院の1日の流れ)はこちらから

※前々回のコラム(地方開業したきっかけや経緯)はこちらから

手技を獲得する

” 手技 ” は柔道整復師の醍醐味ともいえます。

私もその手技をたくさん練習してきました。

シンプルに練習することも非常に大切ですが、解剖学をイメージして練習することもとても大事だと思います。

いろいろな手法があり効果も様々ありますので、今回はそのあたりを主に触れてみたいと思います。

臨床現場で柔道整復師といえば、” 指圧 ” をイメージする方が多いと思います。

私も指圧を極めようと、新人時代は何時間もベッドを圧していたものです(笑)

ベッド圧しは私の原点で、お師匠さんからの指導で指圧の極意を伝授していただきました。

私の場合、昔ながらの整骨院で育ったこともあり、一部体育会系みたいなところがあったため、新人時代は毎日3時間以上ベッド圧しをやり、真っ直ぐに圧すことを意識、注力していました。

点数のようなものがあるわけではなく、見える化も出来るわけでもありませんが、練習を繰り返すうちだんだんと上達する過程は実感がありました。

・体の使い方と指先の感覚
・数ミリ圧した先の感覚の違い
・圧の伝え方

などをひたすら練習していました。

他人から見れば、指でベッドを圧しているだけのように見えてしまうのですが、これが超大事です。

何時間も何時間も圧していると、確かに感覚は大きく変わってくることが分かるようになり、伝えられる圧がいろんな形で何種類も変化させられることができるようになります。

イメージでお伝えすると、ボクサーや格闘家が繰り出すパンチやボディブローが近いかもしれません(笑)

” こんなパンチが効くの? “
” こんなパンチで相手倒しちゃうの? “
と思うような映像を見たことがある方は想像できると思いますが、まさにあのような感じです。

特にボクサーが放つパンチやボディブローは、柔道整復師の指圧に非常に近いと思います(笑)

要は、” 効く ” とか ” 響く ” の感覚が、柔道整復師の指圧にもあるということです。

他の柔道整復師の先生方でこういった感覚を大事にしている施術者が、全国にどのぐらいいらっしゃるのかは分かりませんが、私は少なからずそういった感覚は培ってきていると思います。

どのような練習が必要か

これはギャグでも何でもなく、私が真剣にやってきたやり方で、今の時代このようなことをやっている整骨院はないかもしれませんが、あくまで私の新人時代の話としてご覧いただき、もしよろしければ参考にしてくださいね(笑)

  1. ベッドを圧す
    上記でも触れましたが、これは基本中の基本です!ベッドの中心だけでなく、端、ベッドの骨組みを圧すことで圧した先の感覚の変化を感じることができます。
  2. 車のハンドルを圧す
    あまりお勧めしませんが運転中も練習です!丸いものを圧すと把握の感覚がつかめますが、あくまで安全運転でお願いします。
  3. みかんを圧す
    食べる前に圧す!おいしくなるわけではありません。
  4. 犬を圧す
    好奇心の強いワンちゃんでも、ほどよい圧を加えてあげるとおとなしくなります(笑)

といったところです。

これらはほんの一例で、これをお読みの皆さまは薄々感じていらっしゃるかと思いますが、目についたものをいっぱい指圧してきた感じです。

こういった意識で手を鍛えてきましたので、これらの経験が私に大きな自信を与えてくれました。

自信に加えて、患者さまへ施術を行う上で最も重要な要素であったことは間違いありません。

臨床の現場では多くに知識を基に、正確な判断をしなくてはならないのが「柔道整復師」です。

医師や医者の診断を基に施術をするのは、理学療法士や作業療法士、病院勤務の柔道整復師の方々で、「整骨院」として業務を行う場合は、その整骨院に勤務する「柔道整復師」が患者さまの症状を判断しなくてはなりません。

また、知識や経験もとても重要で大切ですが、自信を持って患者さまに接することも大事です。

自信がなさそうな施術者は、患者さまにもすぐ伝わります。

過信のしすぎは良くありませんが、自信を持てないときの施術はあまりいい結果を出すことはできないと思います。

これは私も経験があり、思うように症状が回復していかない患者さまに対しては、自信がなくなることがありました。

「手技」「知識」「経験」について

手技・知識・経験のうち、どれか1つでも欠け自分の範囲外になってしまえば、その施術者は自信を持って施術に当たることが出来ないと私は考えます。

柔道整復師にはこのような状況はよくあることで、SLEの患者さま、心臓のバイパス手術をされた患者さま、子宮がんの患者さまなど、さまざまな既往歴や持病を持っている患者さまをたくさん診ることがあります。

そのようなケースで、自分に出来ること、アドバイス出来ること、一緒に調べてみること、セカンドオピニオンの話をしてみる等、柔道整復師である我々にもやれることはたくさんあるハズです。

手技の話から少し脱線してしまいましたが、「自信をつけるために手技を獲得する」「施術効果を高めるために手技を獲得する」等そういった修練を積み上げていくことで、医療従事者として成長していくのだと思います。

実際問題、手に自信のない方は、骨折や脱臼の整復はできないと思います。

私も結構な症例を整復してきた経験があって、その後の施術もこなしてきていますが、まだ経験が浅い頃は整復もギブス固定も緊張したものです。

柔道整復師は手」で診て「手」で治すくらいの感覚を持っていないと、実際の臨床の現場ではなかなか力を発揮できません。

我々柔道整復師は、施術を行うにあたり問診も視診もしますが、触診のスペシャリストなわけですから、” 手 ” での修練はしっかりとやっておくべきことかなと思います。

このコラムをお読みの皆さまが、世の中にあるいろいろなものを圧していただけたらと思います(笑)

今回はこれぐらいで終わりたいと思います。


執筆者情報

長田整骨院 院長
一般社団法人 阿武隈クラブ 代表理事
長田 卓也 先生

【経歴】
39歳 宮城県岩沼市出身 2021年に飯舘村に移住する。
現在は柔道整復師で整骨院を経営。
介護施設で機能訓練士、東京赤坂でステーキ屋の副料理長、営業、大手での企業、バレーボールの中学生女子の監督、ビーチバレーで国体 等々  
趣味は麻雀、バイク、車、スノボ、バレー、ギター 等

公式ホームページ
一般社団法人阿武隈クラブ
長田整骨院

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