柔道整復師と理学療法士の違いを、現役柔整師が語る

※写真のモデルはイメージになります。

理学療法士の独り言

柔道整復師を目指している皆さん、今「え、なんで理学療法士?」って、思いませんでしたか?
そう、最初はみんなそう思うのです、今このコラムを書いている僕自身もその1人でした。

そんな僕のこれまでの進路に悩む学生時代から理学療法士として働く現在までの中で、あなたの「あー、今まさにこの状況だわ。」と共感できるような経験を投稿してみようと思います。

理学療法士の僕だから話せる視点や、柔道整復師との関わり方などを話してみようと思うので、読んでくれる皆さんも肩の力を抜いて、コーヒーやチョコレート片手に、読んでもらえると嬉しいです。

今回のテーマは「柔道整復師と理学療法士の違い」について

〇医療系の職業に将来就きたいけど、何がいいのかわからない
〇トレーナーになりたくて調べてたら柔道整復師と理学療法士が出てきたけど、何が違うの?

こんなお悩みを抱えている皆さんに向けて書いてみようと思います。

柔道整復師と理学療法士の違いすら分からなかった高校時代

僕が将来、理学療法士を目指そうと思ったのは、高校生の時。

よくある「部活で怪我をして、リハビリでお世話になったから」というやつ。

中学・高校と僕は、怪我をしたら学校の近くの病院で診断してもらい、学校の近くの接骨院で以後のリハビリ・ケアをしてもらう、ごくごく一般的なサッカー少年でした。

中学生時代に進路についても考えていた時、Googleで「サッカー 医療系 仕事」とよく検索していました。そこで出てきたのは、医者、フィジカルコーチ、トレーナー。

次は、「サッカー トレーナー」で検索。そこには、中学生の自分には難しい名前がたくさん出てきました。

柔道整復師
アスレティックトレーナー
鍼灸師
あん摩マッサージ指圧師
理学療法士

当時中学生の自分に違いが分かるわけもなく、学校の委員会の違いみたいなものだと思っていました。

高校生になり、大学や専門学校への進学が現実味を帯びてくる中、僕は変わらず「サッカー トレーナー」と検索していました。

その時わかっていたことは、

〇柔道整復師や鍼灸師、理学療法士は国家資格であるこ

〇鍼灸師は針やお灸を使えて、柔道整復師や理学療法士はベッドでマッサージできる

この程度のレベル。この時点で柔道整復師と理学療法士を同類扱いしていることは、一目瞭然。

違いといえば、接骨院にいるのは柔道整復師、病院にいるのは理学療法士。

このコラムを読んでいる方はもう既にご存知かもしれないが、実は病院で働く柔道整復師もいれば、接骨院で働く理学療法士もいます。

でもここから、1つのHPの求人を見た瞬間に僕は理学療法士を目指すことになりました。しかしその理由は、今考えればよい意味で初々しく、悪い意味で安直な理由でした。

理学療法士になったのは、たった1つの求人

木枯らしの吹いた冬本番を目の前にしていた高校2年生の頃、僕は腰の怪我をし、まともに練習ができてませんでした。

暇つぶしにスマホを手に取り、変わらず「サッカー トレーナー」と検索していました。

いつものように、検索結果を下まで勢いよくスクロールしたページの1番下のサイトだけが僕の視線に入った。

それは某Jリーグチームからのメディカルスタッフ募集の求人でした。僕は反射的にそのサイトへ指を伸ばしました。

書いてあったのは

「理学療法士1名の募集」

ここから、僕の将来の目標が「理学療法士になる」になったのです。

その理由は、

  • 理学療法士になればJリーグで働ける
  • 最悪なれなくても病院で働ける
  • 理学療法士の学部は国公立大学に多くある

以上。

今思えばなんて単細胞的な思考回路だが、動機と言えば華やかなエピソードがあるわけでもなく、この程度の進学を調べている日常の1コマ。

ここから現在の自分があると思うと何とも言えない気持ちになりますが、逆にこの瞬間を引き当てたことが、理学療法士のスタート地点となりました。

理学療法士は私にとっての「四つ葉のクローバー」

皆さんは、四つ葉のクローバー探しをしたことがあるだろうか?

正式名称はシロツメクサ。葉の数で様ざまな意味を持ち、特に四つ葉は「幸運」の意味を持つ。

季節は春。ゴールデンウィーク真っ只中の公園で子供の頃、一生懸命クローバー畑を漁って四つ葉を探すがなかなか見つからず、友達が見つけると悔しくなったのを今でも覚えています。

一方、何気なく歩いている横目でクローバー畑を覗くと、ふと四つ葉のクローバーを見つけたこともある。

そこら中にたくさん生えているのにも見つからない。でも畑の中に必ず1つは存在している。この絶妙な発見確率も相まって「幸運」の象徴として世に知れ渡っているのだろう。

脱線したが、何が言いたいかというと

「動機やきっかけはそこら中に落ちていて、自分の目に入るかどうか」

ただそれだけなのだと、私は思う。

見つけたくて見つけるものでもない。ただアンテナを張っていないと視界には入ってこない。それがたまたま僕の場合見つけたのは理学療法士の求人であっただけで、先に見つけたのが柔道整復師であれば柔道整復師になっていたと今でも思う。

今はこのコラムを読んでいる方の中には「絶対○○になってやる!!」という強い気持ちを持った情熱のある方もいらっしゃるでしょう。

その気持ちは、必ずあなたを高みへと連れて行ってくれるパワーとなるので大事にしてほしい。

ただ、それはあなたが見つけた四つ葉のクローバーであって、隣にいる人はまた別の場所で見つけた四つ葉のクローバーかもしれない。

見つけたタイミング、場所など人それぞれだが、みんな自分にとっての四つ葉のクローバーを見つけてその道を進んでいるのです。

「柔道整復師と理学療法士の違い」についていつ話すの?と思っているそこのあなたへ。

大丈夫です。ここまではプロローグ。

次回は「柔道整復師と理学療法士の違い~main story~」

  • 理学療法学生になって始めた、柔道整復学生との交流
  • アメリカに行って感じた理学療法士の価値
  • とある柔道整復師との出会い

以上の3本建てでお送りしますのでお楽しみに!


執筆者情報

理学療法士
石川 芳成(いしかわ かなる) 先生

経歴:
◆広島大学医学部保健学科 理学療法学専攻を卒業
◆広島県学生トレーナー団体 Field(現:広島県学生スポーツコミュニティ)創設メンバー 元副代表
◆セラピスト診断学研究所 第二期運営メンバー
◆FRP ベーシックインストラクター


【一言コメント】

整形外科で勤務する理学療法士です!
NYやJリーガー自主トレ合宿、Jクラブ、Jrユースチームなどの研修を経て、皆様の心と身体に寄り添います!

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