【柔道整復師の資格を活かして】私が介護業界に進んだきっかけ

※写真のモデルはイメージになります。

皆さま、はじめまして。

柔道整復師のほんまと申します。

こちらの柔整ドットコムでは、接骨院や整形外科、トレーナーのお仕事で活躍されている先生達のお話がたくさんある中、私の経歴は少し変わっているかもしれません。

” こういう柔道整復師もいるのか “
” 柔道整復師の
国家資格って、こういう風にも活用できるのか “

そういった感じで読んでもらえればいいかなと思います。

柔道整復師となり介護施設勤務となった経緯

私は現在、柔道整復師の国家資格を活用して、老人介護施設で働いています。

自己紹介もかねて、私が介護施設で働くことになった経歴やきっかけもお話させていただきます。

私は高等学校を卒業後すぐに柔道整復師の資格を取ったわけではなく、最初は自動車整備士の資格を取り、自動車ディーラーで整備士や販売員として勤めました。

車好きのため自動車業界に入りましたが、は仕事に対する理想が高すぎてそのギャップを吸収しきれず、渋々退職を決め、30歳代で柔道整復師の資格を取るため、未来の柔整師を育成する専門学校に通いました。

正直、職場でのコミュニケーションに疲れていたこともあったのですが、

・独立開業権のある資格であること
・子供のころに通っていた格闘技教室の影響で、人体の構造やスポーツ外傷について興味があったこと
・祖母の肩を揉んで感謝されたときに嬉しかった記憶があったこと
など、いろいろな想いが組み合わせって、柔道整復師の国家資格に興味を持ったのがきっかけだったと記憶しています。

当時は、柔道整復師という国家資格があること自体知りませんでしたが、調べるうちにその存在を知り興味が湧き、専門学校に通うことを決めました。

専門学校へ入学後、昼間は近所の整骨院で助手としてアルバイトを行い、学校へは夜間講義で通い、成績は普通ながら講義を休むことなく、無事卒業できました。

皆勤賞だったことが私の自慢出来るところです(笑)

私からしたら同級生はもとより、学校の先生の過半数以上が年下の方なので、若干気を遣われていたような感じもしたのも、当時のいい思い出です。

念願の国家試験も無事合格し、お世話になっていた整骨院も、資格取得後もしばらく勤めさせてもらい経験を積ませていただきました。

あるとき知人から、整骨院開設と院長の話をいただき、勤め先が変わることになりました。

そこでは、患者さまの応対や施術と並行して、

・アルバイトスタッフの給与管理
・レンタル設備機器の管理
・テナント賃料管理

など、金銭の管理を担当し、日々努力していました。

ある日、お昼の空き時間で、近所にある老人デイサービスにお招きいただきました。

そこは、比較的お元気な年配の方が日中のみ利用される介護デイサービスで、集まったご利用者さまと一緒に体操をしました。

手が上がりにくい方、足が痛い方、お話が理解しにくなっている方など、いろいろなご利用者さまと一緒に体を動かしたのを覚えています。

その真剣な表情や、ときには笑顔を見せるご利用者さまとのやり取りは、整骨院業務とは違った雰囲気と達成感がありました。

それからだいぶ経ったころ、私は老人介護施設を持つ社会福祉法人への転職を決意し、数年ぶりにサラリーマンに戻りました。

そして現在は、特別養護老人ホーム(特養)で、機能訓練指導員として活動してます。

転職したのきっかけとしては、勤め先の整骨院の運営が軌道に乗ったことや、結婚に伴って福利厚生を転職先に期待したこともありますが、何よりデイサービスで経験したことや、その雰囲気と達成感が忘れられず、新しいことに挑戦しようと思ったからです。

写真はイメージです

介護施設について

私が勤める老人介護施設ですが、平成9年に施行された介護保険法に基づいて運営されています。

ざっくりとした説明にはなりますが、65歳を迎えた方が日常生活に不自由や不安を覚えたときに、その度合いに合わせて介護保険を使いながら生活していくことになります。

そのサービスの種類として「老人デイサービス」「特別養護老人ホーム(特養)」などがあります。

他にもいろいろなサービスがあるのですが、これはまたの機会にお話できたらと思います。

介護や支援が必要だと認められると、その方の生活の質を維持・改善させることや、現在の日常生活動作や身体機能を維持・改善してもらために計画が立てられます。

食事や、入浴、トイレなどについてなどいろいろ計画をたてるのですが、その中に「機能訓練」についても計画されます。

機能訓練の目的は、日常生活で必要な動作の維持や、改善を目的に行われる訓練になり、配属された部署により少し取り決めの内容は変わってきますが、その機能訓練を担当するためには柔道整復師などの決められた資格が必要になります。

整骨院で働いていたときに学んだことが、現在大変役に立っています。

整骨院には若い方からご年配の方まで、さまざまな年齢層の方も来院されますので、共通することも少なくはありません。

それぞれの違いとしていくつか挙げるとすると、外傷に応急処置や後療など医療類似行為の有無と、他職種との連携の必要性が、違いとして大きく感じました。

整骨院では痛みやケガを治すための来院が基本になると思いますが、介護施設の場合、生活の質を維持するため、今できることをこれからも続けるために対応をします。

他職種との連携については、担当の部署にもよりますが、生活相談員、介護師、看護師など自分とは違う資格を持っている方々と、目的であるご利用者の生活の質を守るため、「機能訓練指導員」として連携を取るところです。

勤め始めたころはなかなか切り替えが難しく、痛みの話があれば関与したがったり、他職の方との情報共有がうまくいかなかったりと苦労しましたが、今私の勤める特別養護老人ホームには、機能訓練指導員は私1人のため、責任感とやりがいを感じています。

写真はイメージです

まとめ

” 柔道整復師 ” といえば、花形は整復包帯法になるかもしれません。

介護業界に入り包帯を巻くことは稀にありましたが、整復や急性外傷に関しては、自分が手を出すことはなく看護師に基本お任せしています。

私の勤める介護施設の中で、柔道整復師の資格をもつ機能訓練指導員は脇役かもしれませんが、ご利用者さまの身体機能面の専門分野を担当し、長い目で生活に携わっていることに、私はやりがいを感じています。

自分の話ばかりになってしまいましたが、機能訓練指導員としての柔道整復師のお話でした。

これをお読みなった方で介護業界に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。


執筆者情報

柔道整復師・介護老人福祉施設職員
ほんま としひろ 先生

【経歴】
株式会社員を約9年、整骨院業界を約5年経験し、現在の社会福祉法人員を9年目の柔道整復師です。

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