【実録】柔道整復師の私が「独立」した理由

柔道整復師を目指して学校で勉強中の学生、資格を取得して働いている方、目標として少なからず皆さん1度は「独立」ということについて考えたことはないでしょうか?

柔道整復師は整骨院や病院に勤務することはもちろんできますが、自分自身で開業しお店を持つことができます。

独立するタイミングやきっかけというのはそれぞれありますが、私自身の独立への考えや、独立したきっかけや理由をお話していこうと思います。

柔道整復師は「開業」ができる

柔道整復師として独立する場合、あらゆる形があります。

やはり独立を考えたときに1番に思いつくのが、自分で整骨院・接骨院のお店を持つ「開業」という形が多いのではないでしょうか。

柔道整復師は「国家資格」という資格に分類され、名前の通り法律つまり国に認められた資格になります。

その為、指定された養成施設(専門学校)や大学を卒業したのちに、年に1回行われる国家試験を受験し合格しなければなりません。

※詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。

合格すれば晴れて柔道整復師に、同時に健康保険を使った保険診療と開業権が与えられます。

しかし、注意が必要な点が、以前までは資格取得後すぐに開業することができていましたが、平成30年4月以降に柔道整復師の資格を取得した方は「実務経験」「施術管理者研修」を受けなければ開業できない仕組みになりました。

あまり資格取得直後に開業される方はいないと思いますが、開業条件を満たさなければできないので注意です。

さまざまな条件を満たし、保険診療を行える「整骨院・接骨院」を開業することができます。

開業はあくまで「独立」の1つの形です、それでは実際に、独立にはどのような種類があるのでしょうか?

さまざまなかたちの「独立」

独立という形は決して整骨院・接骨院を開業することだけではありません。

近年の日本では健康意識・水準の向上からケガの施術だけでなく、健康のために活躍されている柔道整復師の方が増えており、活動の幅が広がっています。

柔道整復師は冒頭でお話した通り、国家資格であるため信頼性はもちろん、専門的な知識もあるため、知識を生かした仕事も数多く存在します。

独立のかたちとしては、

  • 整骨院接骨院の開業
  • 整体院の開業
  • スポーツトレーナーとして専属もしくはチームとの契約
  • パーソナルトレーナーとしてジムを開業専属トレーナーとして契約

などが挙げられます。

整骨院・接骨院の開業

柔道整復師として独立と聞くと、まずは保険診療も可能で、ケガの施術などを主に行う整骨院を開業するというものでしょう。

整骨院は間取りや(待合や診察室の広さ)換気、消毒など開業するための規定があり、そこをクリアできる場所でしか開くことはできません。

時には内装工事などを行い、理想的な整骨院を作っていきます。

仕事内容は骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガの施術や整復・固定などの処置になります。

整体院

よく整骨院ではなく整体院として開業するメリットは何かということを聞かれます。

整体院は開業にあたって必要な資格が無く、保険診療ができないため、すべてお客様の全額負担となります。

しかし、この全額負担というところにメリットがあります。

料金設定はもちろん、矯正・リラクゼーション以外にエステなどの美容系や、スポーツ選手に対するトレーニング、姿勢改善トレーニングなどメニューも、自分次第で自由に決めることができます。

場所も規定がない為、広さも自由な場所でできます。

スポーツトレーナーとして専属、もしくはチームとの契約

柔道整復師の方には最近、フリーランスとして活動されることも多くなってきました。

フリーランスとは、会社などには所属せず、依頼された仕事に対して個人で自由に契約することです。

柔道整復師のフリーランスとは、実業団や社会人チーム、プロ選手個人と契約しスポーツトレーナーとして活動することを指します。

更に対象は人だけではなく、完全歩合制などで整骨院やスポーツジム、フィットネスジムと契約し自由に働くこともできます。

開業資金は必要なく働く時間も自由に決められる反面、技術がないと契約がなかなか成立しないこともあります。

パーソナルトレーナーとしてジムを開業、専属トレーナーとして契約

柔道整復師の身体の構造や骨格・筋肉への知識を生かした働き方として、パーソナルトレーナーという仕事もあります。

パーソナルトレーナーとはマンツーマンでトレーニング器具を使ったり、食事や運動指導などを行いお客様の理想とするボディメイクを行う仕事です。

ダイエットや健康的な体を作りたいなどはもちろん、時にはプロ選手への専属トレーニングも行うことがあります。

自身で器具を購入し、施設を開業し、施設内でパーソナルトレーニングをしながら依頼があれば外部でトレーニング指導を行うなど、幅広く活動できる職種でもあります。

ここに記載した以外に、独立し活躍されている方もおられるほど、柔道整復師の働き方の幅は広がっております。

型にとらわれず、自分自身がどのようなことをしたいのかを考え、何を学ぶ必要があるのか独立までのおおよその道筋を決めることも重要になります。

私の独立したきっかけ・理由

私は現在、今までの経験を活かし、海外の特殊な電気治療器を用いて、スポーツ選手のケガの早期修復施術や他に矯正やエステなど、さまざまな分野の施術を行っている整体院を開業しております。

しかし私自身、学生の時から独立という目標はなく、一人でも多くのスポーツ選手やケガで苦しんでいる人の施術を行いたいというざっくりしたものでした。

学生時代は整形外科のリハビリで経験を積み、柔道整復師の資格を取得後は、日本では製造されていない特殊な機械でケガの施術をする整骨院に就職し、経験を積むこととなりました。

勤務期間中、お休みの日はスポーツトレーナーとして外部で活動し、分院ができた際には院長経験もしました。その中で今まで以上にケガの施術だけでなく、身体づくりやパーソナルトレーナーのような職種にも興味が湧いてきます。

さらに肌細胞に興味を持つことで美容系にも興味が出てきました。

1人で1日30~50人の施術を行い、多忙な中コロナウイルスによる感染拡大が始まりました。

やはりその影響はすごく、患者さんの減少ははっきり現れました。この時、一人一人に対する向き合い方が変わったことで、もっと自分のやりたいことをやってみたいと感じるようになり、「独立」という選択を選ぶこととなりました。

現在では、マンツーマンでの施術がメインとなり、さらに来て下さる方の希望に添える施術をかたちにしてます。

まとめ

これまで独立のかたちや、私自身の独立のきっかけの話をさせていただきました。

きっかけやタイミングはそれぞれあり、計画を立てて独立することや突発的にすることになる方もいられると思います。

私のように、もともと独立の目標がない方でも働くうちに自分の理想をかたちにしたいと感じた際に、あらためて独立を目指す方もいらっしゃると思います。

しかしどんな状況でも、独立のかたちは、自分自身がやりたいことをすることが一番重要だと感じております。


執筆者情報

柔道整復師
S・F 先生(店舗完全紹介制のため本名非公開)

【経歴】
柔道整復師専門学校3年で卒業、その年に資格取得。学生時代は2年間、整形外科のリハビリ科でアルバイト、卒業後は整骨院で就職、約7年間勤務後、整体院・エステ関連の店舗を開業する。

【自己紹介】
学生の時から含めるとこの業界で役10年、開業がゴールでは無かったですが、自分の求める治療やサービスを提供したいという思いから最終的に開業という形に至りました。スポーツトレーナーなどもしており、プロの選手と関わることもあり、一般の方からスポーツ選手まで幅広く施術を行っています。

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