【ちょっと気になる話】柔道整復師のもう一つの道「ケアマネージャー」

※写真のモデルはイメージになります。

柔道整復師の働き口といえば、整形外科、接骨院、デイサービスが主体になることが多いと思います。

柔道整復師として活躍してきて、少し気になったことはありませんか?

よく熟練の先生方が話される悩みがここにあります。

  • 年齢により体力が不安になってくる
  • コロナで来院者が減り収入に不安
  • 働ける場所が少ない
  • 競争についていけない
  • 将来に希望が見いだせない

など、切実な悩みが浮かびあがっているかと思います(苦笑)

そんな不安を拭えないかと思い、今回は他にも目指せる道があることを知ってもらいたいと思います。

それは「ケアマネージャー(介護支援専門員)」という仕事についてです。

一度は耳にされた方も居られると思います。この少子高齢化社会において、ケアマネは高齢者の方にとって、頼りにされる仕事であります。

ケアマネを知る上で、もう一つ知っておいて欲しいことがあります。

それは「2025年問題」についてです。

2025年問題とは、1947年~1949年までの間に出生した「団塊の世代」が75歳を迎えることで、介護費用や医療費の増大、介護職員の不足により最も事態が深刻化する問題です。

高齢者だけではありません。上記で書いた通り、不安や悩みは時代が進めば大きさが増すというものです。

そのため、今回の記事で少しでも皆様の助けになればと願います。

“ケアマネージャー” とは?

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、要支援・要介護者等が日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識を有しており、利用者が適切な介護保険サービスを利用できるよう市町村やサービス事業等との連絡調整等を行う者を指します。

つまり、介護保険利用者への相談支援を生業としている公的資格になります。

介護保険被保険者 “ とは

介護保険被保険者とは第1号と第2号に別れています。第1号とは65歳以上を指し、第2号は40~64歳までの医療保険加入者となります。第2号には他にも条件がありますが、第1号は要介護・要支援認定さえ受ければ介護保険サービスを受けることができます。

主な就職先について

ケアマネの働き口もさまざまです。柔道整復師と同じように、病院やデイサービスで勤めることも出来れば、開業することも可能です。

居宅介護支援事業所

要介護者に対して、自宅で生活を送るために、ケアマネが居宅サービス計画(ケアプラン)の作成、申請代行、サービス調整を行う事業所です。

法人化すれば自宅開業することも可能です。

こちらではケアマネのことを「居宅ケアマネ」と呼ぶこともあります。

老人ホームなどの介護保険施設

要介護認定を受けた利用者で、介護保険サービスを利用できる公的な入居施設です。

「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」などの種類があります。

それぞれにより、入居人数や要介護度によっては入居することができないこともあります。

こちらでは「施設ケアマネ」と呼ぶこともあります。

地域包括支援センター

市町村が設置主体となっています。住民の健康保持、生活安全を主体としています。

こちらに勤める際には「主任介護支援専門員」の研修を受けることが必要です。

その他

他にも、福祉用具などをレンタルする事業所や、障害者施設などもケアマネが必要になることもあります。

また、利用者の要介護・要支援を決定するため「介護認定調査員」として活躍することもあります。

こちらも別の研修受講が必要となります。

柔道整復師から目指すには?

各都道府県で開催される介護支援専門員試験を合格し、研修を1年間受けることでケアマネに従事することができます。

また、この試験を受けるためにも条件があります。

それは、国家資格に基づく業務を行う業務期間と、従事日数が必要となります。

柔道整復師としての業務に従事して、通算期間5年以上かつ従事日数900日以上を行えば、受験資格を得ることができるのです。

接骨院、整形外科、デイサービス、自分で開業されている方も、この業務期間、従事日数にすることは可能です。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

簡単な紹介となりましたが、ケアマネは未来の困難に立ち向かうための職としては、魅力があると思います。

また柔道整復師の役割だけでなく、自身の能力の幅を広げるためのスキル向上としても挙げられるのではないかと思います。

ケアマネの年齢層は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査令和2年以降」によると、2020年におけるケアマネの平均年齢は「49.9歳」との調査結果が出ております。

つまり自身が高齢化しても働くことが出来る可能性があります。

高年齢化することが悪ではなく、孤立化、身体虚弱などが自信損失に繋がり、結果的に手段を選ぶことが出来なくなることで未来の可能性が奪われます。

今後の社会は、より生活困難者が増えていく未来が予見されます。そのときに、自身が活躍できる場所を複数用意しておくことが大切な点かと思います。


執筆者情報

柔道整復師・鍼灸師
増井 郷士(ますい さとし) 先生

【経歴】
個人の接骨院にて6年勤務、柔道整復師、鍼灸師取得後、2020年 富田林市にて「増井鍼灸接骨院」を開業。現在は幅広く仕事を行っている。

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