私が思う柔道整復師としての「やりがい」とは

※写真のモデルはイメージになります。

今回は「柔道整復師のやりがい」をテーマにしたいと思います。

私は柔道整復師として業界歴12年の経験があり、グループ整骨院で勤務し院長も勤めました。その後、独立開業をして3年が経った今だからこそ感じる、「柔道整復師」という仕事としてのやりがいと、仕事のスタイルについて語っていきます。

一口に「柔道整復師」といっても、さまざまな仕事のスタイルがあり、それによって感じる「やりがい」もそれぞれ違うと思います。

ただ、そういった中でも共通しているのは、

  • 努力して得た知識や技術
  • 患者さんの笑顔

ではないでしょうか。

特に整骨院などで働いていると、病院で働く医師や医療従事者よりも患者さんとの距離が近くなります。

そのため、なかなか聞けない患者さんの「本当の悩み」を聞くことが少なからずあると思います。

患者さんの悩みを解決するために、一生懸命勉強した知識や技術が成果に繋がり、「先生のおかげで良くなった」と笑顔で喜んでくれた瞬間は、何事にも代えがたいやりがいを感じる一瞬だと思います。

柔道整復師は日々勉強の世界ですが、常に新しい事を知って、向上し続けられる仕事です。

知識と技術と経験を積めば積むほど、悩みを解消へ導くことができる患者さんが増えてくると思います。

患者さんの悩みを取り除き笑顔にするために働くことが出来る、ヒトの役に立てる「素晴らしい職業」だと私は思ってます。

ただ、患者さんとの距離が近く信頼されるからこそ「治してくれるかも」と期待は大きくなります。

ケガや腰痛などはもちろん、頭痛や、めまいなどの不定愁訴からうつ病や癌、難病までさまざまです。

自分の技術と業務範囲をしっかり考えて、真摯に向き合う姿勢が大切だと思います。

自分の許容範囲を超え、手の出せない部分までも「治せる」と言い切ってしまい、あとあと問題になってしまうケースも稀にあるため、普段からの勉強がすごく大事だと思います。

同じ箇所が痛む患者さまが2人いても、2人ともまったく同じ症状とは限りません。

業界歴12年になった私も、医学書を読みあさり現在も日々勉強しています。

少し話が逸れてしまいましたが、柔道整復師にはその他にも、これらのような「やりがい」があると思います。

外傷特化型の柔道整復師の場合:

整形外科での勤務や、骨折や脱臼に特化した整骨院で勤務している柔道整復師の方も多くいます。

柔道整復師の醍醐味の1つとも言える、骨折や脱臼を治す「整復」や、その症状や生活背景に合わせて作る「固定具」を作ることも、柔道整復師としてやりがいを感じる時間です。

もちろん患者さんは痛みを感じて来ていますので、真剣に向き合わないといけませんが、その「整復」や「固定」が予後という形で目に見えるため、外傷施術が得意な先生方はこちらをメインに従事されていると思います。

また外傷(骨折や脱臼など)に特化すると、「手首の骨折(コーレス骨折)」など1つの同じケガも多く診れるので、論文発表などもしやすくなります。

この固定法だと何ヶ月で治る、この整復法だと何ヶ月で治るなど、データを取って研究したい方にもオススメの仕事スタイルです。

介護施設での機能訓練の場合:

他にも柔道整復師の働き方は様々で、介護施設での機能訓練士として働くことも出来ます。

介護施設で働く柔道整復師のやりがいは、ご高齢の方とのふれあいや出来なかった動作が出来るようになることを共感できるときだと思います。

介護施設ではヘルパーさんや、介護福祉士さんなども勤務していますが、機能訓練士として、ご高齢者のADL(日常生活動作)の改善に直接的に関わることが出来ることが柔道整復師の強みです。

今まで出来なかったことが出来るようになっていく姿には、こちらも元気をもらえます。

介護の仕事にも興味があるという方にも、柔道整復師はまた少し違った形で携われるのでオススメの資格です。

スポーツでの現場で働くトレーナーの場合:

柔道整復師の中にはスポーツの現場でトレーナーとして働いている方も多くいます。

ケガの施術も出来る柔道整復師は、スポーツ現場でも活躍できます。

自分が昔やっていた競技や、興味のあるスポーツのトレーナーになることが多く、プロスポーツチームに所属したり、個人についてトレーナー活動することもあります。

またトレーナーの需要はプロだけでなく、草野球や、ママさんバレーボールなど、活躍出来る現場は多岐に渡ります。

スポーツトレーナーとして働く柔道整復師のやりがいは、何と言ってもスポーツ選手と分かち合える勝利の瞬間です。

柔道整復師として、ケガのケアはもちろん、トレーニングなどにも携われるので、チームの一員としてスポーツに関わることが出来ます。

またスポーツのケアや、スポーツ障害に力を入れている整骨院で勤務すれば、複数のスポーツ選手の力になれますので、現場での直接的なトレーナー活動だけでなく、間接的にスポーツに携わることも可能です。

私自身、釣りが趣味なのですが、プロアングラー(プロの釣り選手)のケアなどにも携われています。

自分の好きなスポーツや趣味に携われるのは、誰でも楽しいと感じると思います。

最近ではeスポーツ(TVゲームなど)選手などの需要も高く、eスポーツ選手のケアに力を入れている先生もいますので、スポーツや趣味など幅広い分野にトレーナーとして関われるのは柔道整復師だからこそです。

チーム全体を導く経営者の場合:

グループ整骨院で勤務していけば、院長やエリアマネージャーなど、経営幹部になれることもあります。

また独立開業すれば、1つの院の経営者という立場にもなります。

さらに複数店舗展開すれば、間接的に多くの患者さんの役に立てることも夢じゃありません。

経営者として、チーム全体を導き、多くの患者さんの役に立てることもやりがいの1つだと思います。

まとめ

特殊な資格、職業であるからこそ、働き方によって多くのやりがいがあるのが「柔道整復師」だと思います。

努力が成果に繋がり結果が見える柔道整復師は、技術や知識を追求したい職人気質の方にも、研究や論文を書きたい研究者気質の方にも、患者さんを笑顔にしたい方にも向いている医療系資格です。

仕事にやりがいを求めるあなたにこそ向いている資格の1つだと思います。


執筆者情報

柔道整復師
倉島 広季(くらしま こうき) 先生

【経歴】
業界歴12年、大手整骨院グループで院長経験を積み独立開業
現在は千葉県で整骨院を経営し、口コミでイギリスなど遠方からも多くの患者さんが施術を受けに通院

公式ホームページ:
くらしま整骨院 https://kuraseikotsu.hits.jp/

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