【私のコミュニケーション術】患者さまへの施術で1番大切なもの

※写真のモデルはイメージになります。

皆さんは施術するにあたって1番大切なものは何だと思いますか?

「施術技術」でしょ?

そう思う方が多いのではないでしょうか。

もちろん施術技術も必要ですが、それよりもっと大切なものがあると私は思います。

それは「コミュニケーション技術」です。

理由として、いくら施術技術があったとしても、お客さまの抱えている不安や症状は、

  • どのような状態・体勢になったときに痛むのか
  • いつからか痛みが生じたのか
  • 何か思い当たる節はないか

などを、お客さまへ直接ヒアリングをしないと必要な治療や解決策は見えてきません。

せっかく持っている施術技術も、使い所がなくなってしまいます。

身体を診たり、触れたりするだけでこれらが把握できるのであれば、コミュニケーション技術など必要ありません。

そんなことは不可能に近いです。

なので今回は、私が接骨院で実際にお客様の施術を行うにあたって1番大切にしているコミュニケーション技術についてお伝えしたいと思います。

コミュニケーションに必要な3つのポイント

まず初めに、私の中で意識しているポイントを3つ紹介します。

  1. 話しやすい環境を整える
  2. 相手に話をしてもらう
  3. 会いたいと思ってもらえるようにする

順番に解説していきます。

話しやすい環境を整える

「話しやすい環境を整える」とは、一体なんなのか…

皆さんは初めて行った場所で、初めてお会いする方とお話をするとき、緊張しませんか?

緊張したとき、伝えたいことをちゃんと伝えられていますか?

なかなか難しいと感じる方も多いと思います。

(社交性のある方もいらっしゃると思いますので、補足としてお読みください。)

これは患者さまも、私たち施術者にも言えることで、場所であれ人物であれ、人間誰しも初めてのシーンでは緊張します。

このことを頭に入れておきましょう。

緊張はやがて慣れに変わってきます。

慣れさせるためには、その日の天気であったり、最近のニュースであったり、本題に入る前の雑談を大切にしましょう。

ここで雑談をしっかり話すことができれば、緊張は一気に取ることが出来ると思います。

相手に話をしてもらう

次に「相手に話をしてもらう」についてです。

上記で相手の緊張感を取ることができれば、今度は自分が何者なのかを相手に知ってもらいましょう。

いくら緊張が解けたとしても、何者か分からない人物へ自分の話はしないと思います。

接骨院に来られていることから、身体のことは話題にしやすいと思いますが、プライベートのことや生活習慣のことについては、いきなり話せると思いますか?

これもなかなか難しいと思います。

お客さまから信用してもらうためにも、施術者の前に「人として」信用してもらう必要があると私は思います。

これは実際に施術される先生方へも伺いたいのですが、

お客さまのプライベートのことや生活習慣についても、軽度でも把握しておいた方が、治療の計画も立てやすいと思いませんか?

私の経験上、痛みやだるさの原因は、生活習慣などにあることは多くあります。

それらを把握するためにも、相手に話してもらうことが大切ですが、まずは自分のことを知ってもらいましょう。

その際、コツとして、相手が共感しやすい話題を準備しておきます。

  • お客さまの身につけている持ち物
  • 服装
  • 髪型
  • ネイル

などなど、しっかりお客さまのことを観察しましょう。

私がよく使う方法としては、

「髪がサラサラで綺麗にお手入れされてますね!」

など、見た目などをよく褒めます。

褒められて悪い気になる人はいないと思いますし、自分なら褒められると嬉しいと思います。

ただ、ここで注意するべきポイントは、相手のリアクションに必ず反応するということです。

上記会話の例で挙げると、実際にお手入れされている方であれば、

「そうなんです、○○○したりしています。」

など、お客さまから話してくれることが多いですが、仮にお手入れをされていなかった場合、

「いえ、特に何もしていませんよ。」

などが返ってきてしまうと、そこで会話が終わってしまう恐れがあります。

そのため、仮にそう返ってきたときのことも考えた上で準備しておきましょう。

あくまで私の場合ですが、

手入れされていないのに綺麗だなんて羨ましいです!生活習慣などが良いからですね。」

などを返し、その流れで生活習慣の話などへ繋げてヒアリングを行います。

どんな返答が来たとしても、相手のリアクションに合わせて会話のキャッチボールをすることを意識しましょう。

会話のキャッチボールを続けていく中で、意外なところで症状の原因を発見することもあります。

「自分のことを知ってもらう」と言いましたが、決して自分の話をする訳ではありません!

自慢話はもっての外で、お客さまはまず興味がありません。

私が伝える「自分のことを知ってもらう」というのは、このヒトは ” 話をしっかり聞いてくれる ” ” なんでも相談しやすい ” などを思ってもらうということです。

ヒトとして信頼してもらえた上で、施術効果も出すことができれば、施術者としても信頼され言うことなしです。

会いたいと思ってもらえるようにする

最後は「会いたいと思ってもらえるようにする」です。

変に感じた方も多くいらっしゃるかと思いますが、これもとても大事です。

どんな症状も1回で治せるスーパー施術者なら、今回お話ししている「コミュニケーション」なんて正直必要ありません。

なぜなら、1回で治る絶対的信頼感があるからです。

ただ、施術者全員がそのようなスーパー施術者ではありません、もちろん私もです。

早く改善出来るよう精一杯施術はしますが、症状によってはどうしても回数や期間が必要になります。

そのようなとき「通うのが面倒」などの理由で、通院が遠のくお客さまもいらっしゃるかと思います。

せっかく治る見込みがあるのに、もったいないと思いませんか?

これは恐らく施術者側の先生方は共感してくれると思います。

でも実際問題、なかなか治らないし、通院も楽しくないと続きません。

そういった場合に、ここで掲げた「会いたいと思ってもらえるようにする」が必要になってきます。

  • 施術者の◯◯さんに意見を聞いてみよう
  • ○○さんからどうすればいいかアドバイスもらってみよう
  • とりあえず、◯◯さんに会いにいこうかな

などなど、そうお客さまに思っていただければ、通院が遠のく割合はある程度は減少すると思います。

症状が改善することが前提ですが、施術効果以外でも来院する目的があれば、通院も楽しく感じると思います。

もちろん通院が続けば、症状が改善する割合もぐっと上がります。

まとめ

施術者として「どんな症状も来院1回で治す」という目標を常に目指しています。

ただ、それでも1回ではなかなか治らない、改善されないことも現状です。

そのとき、治せる見込みがせっかくあったのに、来院が途絶え治せなかったというのは、私もお客さまも残念なことに思えます。

そんなことがないよう、「コミュニケーション」というのはある意味、施術より大切なのではないかなと私は思います。

お客さまコミュニケーションを取ることは楽しいことです。

私の仕事のモチベーションにもなってます。

コミュニケーション技術は誰にでも習得できます。

気恥ずかしいなどと思ってらっしゃるのであれば、まずは自分の殻を破ることです。

コミュニケーションが上手に取れるようになると、施術者としてももっと成長できると思います。

私もまだまだ頑張ります、みなさまも一緒に頑張りましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。


執筆者情報

柔道整復師
岩澤 泰志(いわざわ たいし) 先生

【経歴】
四国医療専門学校を卒業後、柔道整復師として篠丸接骨院に所属。
2023年4月で業界3年目を迎える若き新星。

公式ホームページ:
篠丸接骨院 https://shinomaru-sekkotu.com/

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