※写真のモデルはイメージになります。
突然ですがお題です。
「柔道整復師」の仕事風景をイメージしてみてください。
さて、どんな姿をイメージされたでしょうか?
など、この記事をご覧になられている方は、身近な柔道整復師の方を思い浮かべたかもしれません。
では、そのイメージの柔道整復師は男性でしたか?それとも女性でしたか?
多くの方が、男性の柔道整復師を思い浮かべたのではないでしょうか。
今回のコラムでは、女性の柔道整復師にスポットを当てたいと思います。
女性柔道整復師はどれくらいいるのか?
女性柔道整復師の割合は2~3割と言われています。
ちなみに数年前にはなりますが、私が入学したクラスでは約2割の人数でした。
女性の割合は年々増加傾向にあると言われていますが、まだまだ男性の方が多い職業であることは間違いありません。
女性が柔道整復師になるメリット
私の経験上、以下の5つがメリットとして挙げられます。
- 女性の患者さまは女性に触れられるほうが安心
- 女性ならではのお悩みに共感できる
- 女性の方が親しみやすく感じられやすい
- 女性の柔道整復師の需要は高く就職しやすい
- 一度結婚・出産・子育てなどで離れても資格があると社会復帰しやすい
1つずつ解説していきたいと思います。
女性の患者さまは女性に触れられるほうが安心
柔道整復師は業務において他の職業と比べて体に触れることの多い職業です。
患部や施術によっては、腰や鼠径部、胸に近い部位に触れることも少なくありません。
そのとき、やはり女性同士のほうが安心して任せられる部分があります。
また、異性に施術する場合、男性柔道整復師は患者さまに不快な思いをさせないように最大限の配慮をする必要がありますが、女性柔道整復師はそこまで神経質になるような場面は少ないです。
とはいえ、当たり前ですが異性への配慮は必要ですし、同性であっても施術時の気遣いは大切です。
女性ならではのお悩みに共感できる
女性の方が共感しやすいお悩みは大きく2つ挙げられます。
それは月経と身体的な問題です。
月経では月経症状に加えてPMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)の症状がありますが、そのなかで、だるさや腰痛、腹痛、頭痛など体の不調を訴える場合があり、相談される場面も多くあるでしょう。
身体的な問題では、体重増加での膝や腰などの体の不調や、痩せたいなどの見た目にかかわるお悩みです。
その際にも男性より女性の方が詳細を聞きやすく、指摘や指導もしやすいでしょう。
女性の方が親しみやすく感じられやすい
一般的に、女性は身長が低かったり、声が高かったりする身体的特徴があるので、親しみやすさが強く感じられやすいです。
逆に言うと、体が大きく声の低い男性は、普通に接しているつもりでも威圧的に感じられてしまうことがあります。
柔道整復師には、患者さまとしっかりコミュニケーションをとって信頼関係を構築すること、患者さまのニーズや問題を汲み取ってそれを解決することが求められます。
親しみやすいことでコミュニケーションを取りやすくなるのはメリットの1つと言えます。
女性の柔道整復師の需要は高く就職しやすい
上記で挙げた点や、そもそもの全体数が少ないことも相まって、女性の柔道整復師の需要は高く、女性柔道整復師を募集している整骨院や病院は多いです。
また、近年のコロナによる健康ブームにより、女性専用の治療院やトレーニング施設なども増えてきて、需要はさらに年々高まってきている傾向があります。
一度結婚・出産・子育てなどで離れても資格があると社会復帰しやすい
柔道整復師は国家資格であり、一度取得することができれば普通に暮らしていく中で資格がなくなることはありません。
働く女性が産休・育休で一度仕事から離れても、また仕事に復帰したい時に今までのスキルを活かして職に就くことができます。
また、上記でもお伝えしたように女性柔道整復師の需要が高いことも、更に仕事が探しやすい環境であると言えるでしょう。
女性の柔道整復師のデメリット
メリットだけではなく、残念ながらデメリットも存在すると私は考えてます。
主に以下3つが挙げられます。
こちらも1つずつ解説していきます。
力が必要なことも多い体力仕事である
患者さまへの整復や施術では力が必要なものもあり、非力な女性では難しい動作もあるでしょう。
また、整骨院や病院での勤務の場合ずっと立ちっぱなしだったり、忙しいと一日中動き続けていたりする場合もあります。
男性スタッフと比べ見下される可能性がある
親しみやすさはメリットですが、患者さまに疾患についてやエクササイズの説明を行う際に、説得力を感じてもらいにくい場合もあります。
しっかりと理論的にわかりやすく、患者さまに伝わる説明ができるようにならなければなりません。
患者さまとの距離感が近い故セクハラ被害を受けやすい
施術などで患者さまとの距離が近かったり、1対1で対応することが多かったりすることから、セクハラの被害を受けることがあります。
内容としては、セクシャルな内容の言葉をかけられたり、体に触れられたりすることです。
実際に私が経験したものでは、施術中に手を握られたり、介助についていた患者さんに抱きつかれたりしたことがあります。
そのときはさりげなく引き離して、その後それができないような体勢に変えて対応しましたが、医療サービスという面もある以上、あまり強く言及することはしにくい環境が多いと思います。
(もちろん、セクハラの程度にもよりますし、犯罪行為から自分の身を守ることは大切です!)
また、私の働いていた病院では、そういう行為が多い患者さまには男性スタッフが対応するようにしていました。
まとめ
さて、この記事では女性柔道整復師のメリット・デメリットについてお伝えしました。
デメリットが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は個人的にメリットの方が大きいのではないかと感じています。
女性対応希望の患者さまは多くいらっしゃいますが、男性対応希望の患者さまには私自身はお会いしたことがありません。
また、コミュニケーションが取りやすかったり、些細なことも話しやすいと感じてもらえたりするのはとても大きなメリットです。
デメリットは他の職業でも起こりうるものですし、慣れや経験、工夫でうまく対応できることも多いように思います。
メリットだけでなくデメリットも理解し、納得して柔道整復師を目指していただけたら嬉しいです。
柔道整復師
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
菊地 彩香 先生
【経歴】
・4年制大学 柔道整復学科 卒業
・卒業後、整形外科にてリハビリ職
・現在プロスポーツチームでトレーナー活動中