柔道整復師になりたい方、キャリア経験をご検討の方へ

※写真のモデルはイメージになります。

現役の柔道整復師が発信するこのホームページで、はじめてのコラムになります。

記念すべき第1回目は『柔道整復師のキャリア』をテーマに書こうと思います。

  • 転職含めて、柔道整復師としてのキャリアを考え直している。
  • 柔道整復師養成校の学生で、これからの進路の選択肢を探っている

このような方々の参考になれば幸いです。

現柔道整復師、または柔道整復師の卵に向けた内容になりますので、「そもそも柔道整復師とは?」といった基礎知識については割愛させていただきます。

一般的に柔道整復師は、「接骨院の先生」というイメージです。また、柔道整復師を取得するために養成所に入学する動機の大半は、

  • 部活動でケガをした時に接骨院の先生にお世話になって先生に憧れた
  • ケガでスポーツ活動を制限されている選手をサポートしたい
  • 自分のお店など、新しく開業をはじめたい

のいずれかに当てはまると言ってもよいかと思います。その動機から選択される進路は、

  • 接骨院
  • 整形外科
  • トレーナー

のいずれかで、更に少し枠を外して考えたとしても、

  • 介護従事者
  • 医療機器メーカー

などの「人の健康に関わる現場仕事」、おおよそこの辺りであることがほとんどです。

この一般的な枠を外れて、資格取得後7回の転職を経験し、現職外国車ディーラーで新規事業を立ち上げる仕事に関わっている、私の「柔道整復師取得後の10年間」をまとめてみました。

私は高校卒業後、広島県広島市にある柔道整復師養成校に入学しました。
入学の動機は前述のような明確なものではなく、養成所の硬式野球部から推薦を受けたからです。学校に入学したというよりは、硬式野球部に入部した。と言った方が正確な表現かもしれません。

入学してから柔道整復師が取得できると知り、なんとか3年間のカリキュラムを無事に終え、資格取得&卒業することができました。
ただ、もともと志高く柔道整復師を取得しようとしていた人間でないため、「みんなと同じように、同じ方向性で就職してしまうと埋もれてしまう」という危機感がありました。

そこで私は考え、その当時『柔道整復師の新卒の96%が接骨院とその関連施設に就職する』というデータを調べ、それ以外の4%の方向に進もうと決めました。その4%に「整形外科クリニック」が含まれていました。


10年ほど前の当時は、今のような医師と柔道整復師が連携をとった施設が全国に数えるほどしかなく、地元を離れ福岡市にある整形外科クリニックを修行の場に選びました。
この環境で得た経験が現在の活動においても価値を生んでいて、最初に選んで良かったなと、今になっても思っています。

その後、地元に戻り、接骨院開業を経験しようと、自らで決めた「6:30~22:00」「365日診療」に身体が追い付かず、心身ともに疲労困憊してしまったため、13か月ほどで黒字閉院することとなりました。

閉院の前に、頻繁に情報交換させてもらっていた整形外科医からオファーを受け、テナント探しから整形外科の開業に携わり、副院長を務めることになりました。福岡市の整形外科で積んだ経験が活きた結果だと私は思っています。

ゼロから立ち上げた整形外科も順調に運営が立ち上がり、オペレーションがうまくいった段階で退職し、次に電気通信工事を主軸にした株式会社を立ち上げました。
その会社では、パーソナルトレーニングジム、整体院、アンテナ工事など事業になりそうなものには手あたり次第手を出しつつ、とことんやり込むというベンチャー気質たっぷりの経営を行っていました。

コロナが世界を覆ったタイミングで、世のため人のためになるサービスを作ろう!とWEBサービスの開発・運営にも着手し、知識も乏しかったITの世界を必死に勉強しました。

その結果、アイデアと独自性が評価され、あるビジネスピッチ大会で銀賞を受賞し出資金を獲得するという貴重な体験をすることができました。

さまざまなことに取り組んだ会社経営もひと段落つけて、その好奇心と新規事業の発想をより活かせる環境を次の挑戦場所に選び、大きな資本と創業者が積み重ねてきた信用を武器に日々新規事業の立案・実践を行っています。

ひとつひとつのエピソードを掘り下げると話題は尽きませんが、これまでの自身の経験を基に伝えられることがあるとすれば、「”柔道整復師の枠に自分自身を無理にはめ込まなくてもよい」ということです。

柔道整復師を取得したからといって、自身の進路を接骨院かその他医療現場に限って考えるのではなく、アパレル業界へ転職しても不動産会社に就職してもいいのです!

養成所に在学している3年間(大学院なら4年間)は、自身の可能性を拡げる大切な時間です。
出会うヒト、見る景色によって、自分のやりたいこと、その進路が変わることはいくらでもあると思います。

今の職場で満足いかず、転職も含めキャリアを考え直しているなら、「柔道整復師」の資格を一度取っ払って、ゼロベースで「自分がやりたいこと」を考えてみてください。
柔道整復師養成校の学生で、これからの進路の選択肢を探っているなら、IT業界で活躍している人、飲食事業で成功している人など、たくさんの人に会って話を聞いてみてください。

そうするとあなたは、「柔道整復師の〇〇です」ではなく、私は柔道整復師の資格も所有していますという多様な社会にマッチした自己紹介ができるようになります。

ちなみに私は、自信と誇りを持って「柔道整復師の資格も持っています!」と自己紹介しています笑

これから世の中に挑戦されるみなさまを心から応援しています。

今回のコラムがあなたにとって参考になれば幸いです。


執筆者情報

柔道整復師
元原 誠吾 先生

整形外科 副院長経験ありの柔道整復師
◆膝中心に年間1000例の手術に帯同
◆1回/週 ストーリーズ 病態鑑別クイズ
◆考え方や質問に対してのLIVEのみ発信
◆セラピスト診断学研究所 第一期運営メンバー
▼セラ研の入会はこちらから

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