【柔道整復師の職場の1つ】整形外科で働いてみて感じたこと

前回に続き、今回も柔性ドットコムのコラムも、私鈴木が担当したいと思います。

前回は私がサラリーマン時代を経て、柔道整復師となった理由やきっかけ、今後のビジョンなどを書きました。

今回は、私が柔道整復師となってまだ間もない新人だった頃、病院や整形外科で働いていた頃の話をしたいと思います。

※前回のコラムはこちらから

病院勤務時代に感じた「良かったこと」と「悪かったこと」

私は、国家試験である柔道整復師資格を取得後、就職先は整形外科と決めてました。

これには私なりに理由が4つあります。

1つ目は、圧倒的に患者さまの数が多く、臨床経験を積みやすいからです。

さまざまな症例に触れないと勉強にならない=そういった環境に所に身を置けば成長が出来るのでは? と考えました。

それぐらいしないと、先輩柔整師との差が縮まらず、置いてきぼりになると感じたからです。

また整形外科によっては、全体でカンファレンスを行うところもあります。

2つ目は、将来独立した際の経歴作りです。

現在は「キャリアアップ」などと言われてますが、私はその頃から自分の将来象を想像していました。

知名度で考えると患者さまへは、
「○○治療院で働いてました!」と伝えるよりも、
「○○病院の整形外科・リハビリテーション科にいました!」と伝えた方が
伝わりやすいと思ったからです。

3つ目は、少し不純かもですが、お金です。

やはり整骨院よりお給料が良い点が私の感覚です。

整形外科は、自分自身の成長に繋がり、かつお給料も良い傾向があるので、私にとって一石四鳥の価値でした。

今でもこの選択は間違っていなかったと考えています。

4つ目は、かなり不純ですが、整形外科で働けてる俺、カッコいい論です。(笑)

やはり知名度は整骨院に比べて高いので、知人や友人への自慢や、自己満足にはもってこいです!(笑)

ただ、子供の頃から決して真っ直ぐな道を歩いて来なかった私にとっては、リセット的な意味合いもありました。

柔整師の仕事の1つとして、「整復」と「固定」がありますが、現在整形外科のドクター自ら行う病院が多くなっていることは否めません。

さらには柔整師が「整復」や「固定」の勉強してること、熟知していることを知らず、柔整師を雇用する病院もあり、ここ最近はその数が増えているように感じます。

リハビリに至っても理学療法士や作業療法士がいるため、柔整師の仕事としてはマッサージのみを依頼され、空き時間は電気治療器を外す作業など、そもそも助手さんがやるようなことを仕事としている事実を耳にしました。

私の場合、柔道整復師としての本来の業務を尊重してもらえる整形外科にたまたま勤務しましたが、日本全国の病院がそうとは限りません。

そういった意味では、柔整界だけではなく、医療全体で努力が必要な点かもしれません。

柔道整復師として病院に勤務されている方々へ

病院に勤務されている柔道整復師は、そのほとんどが「整形外科」もしくは「リハビリテーション科」に所属しているのではないでしょうか。

先程も触れたように、整形外科でもリハビリテーション科でも、柔整師の立場は年々低くなっていると正直感じています。

柔整師でも指定講習会などに参加すれば、整形外科側もリハビリ点数を取れますが、やはりリハビリテーション科の主役は理学療法士です。

指示は整形外科医から理学療法士へ、理学療法士から柔整師に指示が出る感じです。

そのため、与えられた環境に甘んじるのではなく、常に「自分だったらどうするか」というのことを考え、メモを取っておき、いつか必ず使うことを信じ積み上げておくべきだと私は思います。

一口に「整形外科」と言っても、大学病院から個人整形外科(クリニック)まであります。

柔道整復師が勤務出来るのは、恐らく「個人整形外科(クリニック)」の方だと思います。

個人整形外科は、整形外科医である個人が運営しているため、その経営者である個人の性格が強く反映されます。

単なるマッサージ要員として人員募集してるところもあれば、柔整師が中心の整形外科、その中間のような整形外科までさまざまあります。

お給料も整形外科によってバラバラですが、整形外科でのお給料は、理学療法士も高いわけではありません。

ただ、基本的な施術の流れとして、理学療法士→柔整師へ指示が出るような環境では、柔整師の方が高いわけがありません。

そのため「お金さえ貰えればいいや」と思う方以外、かなり明確な目的を持たないと辛い状況になります。

その逆に、明確な目標を持ってる方は、どこに行っても安泰だと思います。

また、柔整師に限らずのお話ですが、骨を埋めるつもりで就職するのは、私はオススメしません。

ご両親の介護などで家を出れないなど、よっぽどの理由が無い限りは2~3年で他の整形外科に転職された方がよいです。

理由は、整形外科によって運営方法やドクターの考えが大きく異なるからです。

ただ、2~3年経ったからそろそろ転職を…という意味ではありません!

「この環境でこれ以上の成長が望めない」と思ったときです。

私の場合、転職のひとつの目安としては、患者さまからの指名数がNO.1だと感じたときです。

加えるなら、そこに働く医師本人からも身体を診て欲しいと頼まれ、更には医師のご家族やご友人も診て欲しいと頼まれることが続いた時です。

医師も当然プロですから、ご家族やご友人を紹介するという行為は、かなり信頼されていないと起こりえないことです。

私はそこまで至ったのを境に転職していました。

私の転職は、簡単に言えば「腕試しの転職」「挑戦」です。

勤めた整形外科で、たまたま運よく上記のようなご紹介をいただけただけで、他整形外科でも同じような状況になるとは限らないため、転職し環境を変え、再び頂点を目指すのです。

私はどの整形外科で勤務したとしても、、同じ環境が作れると確信したので、独立し開業しました。

自分のお店を持つことで、患者さまから支持されるには、どういった振る舞いや知識・経験が必要なのかが見えてきます。

そういったものに終着点はありませんが、ヒトの身体の悩みや思考は、ある程度パターン化されてることに気づくはずです。

私は決して器用でも、頭が良いわけでもありません。

だからこそ、それらをパターン化し整理するだけでも、自分にも余裕が生まれ新たな知見を吸収出来るのです。


執筆者情報

柔道整復師・鍼灸師
鈴木 忠昭 先生

2003-2013年 整形外科リハビリテーション科へアルバイトを経て就職。
ほぼ同時期に高校アメリカンフットボール部トレーナーさらにJリーグ、アスレティックリハビリテーションの一般トレーナー向け講習会補助に携わる。

2008年より整形外科リハビリテーション科に勤務しながらフィットネスクラブで治療院を開業。
2015年より整形外科リハビリテーション科を退職しフィットネスクラブ内の治療院を継続。
現在2店舗運営し、デーサービスにてリハビリ応援も行う。

その他、商品開発後の評価も行う。

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