柔道整復師は”フリーランス”でも働ける?

※写真のモデルはイメージになります。

柔道整復師には整骨院や整形外科、スポーツ関連の施設など様々な働き方があります。

そのなかで「フリーランス」として働く柔道整復師がいることをご存じですか?

この記事では、柔道整復師がフリーランスとして働くにはどのような働き方があり、どのようなメリット・デメリットが考えられるのかについてご紹介します。

フリーランスってなに?

フリーランスとは、会社や団体に所属せず仕事に応じて自由に契約を結び働くスタイルを指します。

プログラマーやカメラマン、最近ではナースや美容師など様々な職種のフリーランスが活躍しているのが特徴です。

そのなかで「フリーランスの柔道整復師」として働く方もなかには存在します。

柔道整復師がフリーランスで働く方法

就職や開業ではなく、柔道整復師がフリーランスで働く際にはどのような働き方があるのでしょうか。

私も実際にフリーランスとして働いていた頃があるので、それらの経験を踏まえ働き方を紹介します。

治療院と業務委託契約を結ぶ

簡単に言うと「やった分だけ報酬がもらえる」という働き方になります。

整骨院やリラクゼーションなど院によって契約内容は大きく異なりますが、「〇曜日と〇曜日だけ出勤」といった形で担当の曜日に施術を行い、売上の何割かを報酬として頂くスタイルです。

自由に働けることと、施術を行った人数に応じて報酬が増えていくのが魅力でもあります。

それなりに経験がある柔道整復師の方や鍼灸師の資格も持っている方であれば、オリジナルのメニューなどでファンを増やせるので将来性があります。

自身を商品としてSNSで集客する

現在TwitterやInstagram、ブログサービスなど世の中に自身の存在をアピールできる媒体はいくつも存在します。

そのなかで自身の資格や経験を活かし、自分自身を一つの商品として売り出す方法があります。

あらかじめ施術メニューや対応範囲を設定し、SNSを通じて個人のお客様からの依頼を受け訪問施術を行う働き方です。

  • 「60分全身揉みほぐしコース」
  • 「90分全身骨格調整コース」

といったように、オリジナルの施術メニューをいくつか用意しSNSで集客を行います。

口コミや実績がある方なら自身のネームバリューだけで予約を取ることができるでしょう。

スポーツ関連

柔道整復師のなかには、スポーツトレーナーやアスレチックトレーナーなどスポーツ関連の資格を保有している方も多いです。

そのため、個人でプロのスポーツ選手やスポーツジムと契約をしている柔道整復師も多く存在します。

スポーツトレーナーのなかには、トレーニングの知識だけでなく、より身体の構造について理解を深めるために柔道整復師の資格を取得する方もいるくらいです。

そのため、スポーツ業界ではフリーランスの柔道整復師が活躍できる場も多いでしょう。

柔道整復師がフリーランスで働くメリット

柔道整復師がフリーランスで働くメリットは、主に次の2つが挙げられます。

実力で収入が大幅に増える

治療院などと「完全歩合」で契約をした場合、施術を行えば行うだけ自身の収入が増えます。

つまり、実力がある方は柔道整復師として治療院に就職して働くよりも大幅に収入を増やせるチャンスがあるのです。

施術者として実力や人気が出れば独立開業を目指すこともできるので、夢が広がる働き方でもあります。

資金面でのリスクが少ない

柔道整復師として独立開業をしようとすると、500〜1,000万円程の資金が必要になります。

人件費や広告費も馬鹿にならないですし、それらを調達することや回収することも目途が立ちにくいため、経営に失敗したときのリスクが大きいです。

その反面、フリーランスの柔道整復師であれば、自分の身一つで開業できるため、資金面でのリスクが少なくて済みます。

柔道整復師がフリーランスで働くデメリット

フリーランスという働き方には夢がある一方、次のようなデメリットも存在します。

収入が不安定

フリーランスには会社員にはある「給与」がありません。

つまり、毎月どれくらいの収入を得られるかが不透明なのです。

月によっては大きく稼げる月があっても、一方で収入がゼロになってしまう可能性もあります。身体を壊して働けなくなってしまえば、当然保証もないので収入はゼロになってしまいます。

税務処理や年金・保険の負担が増える

フリーランスの柔道整復師として働く=個人事業主であるため、国民年金・国民健康保険に加入します。

そのため、一般的な会社員が加入する厚生年金・社会保険よりも金銭的な負担が増えることとなるのです。

また、確定申告などの税務処理も自身で行う必要があるため、事務作業などの負担も増えるでしょう。

まとめ

柔道整復師がフリーランスで働く場合、ある程度の経験や実力が必要となります。

また、フリーランスという働き方の特性上、自身でスケジュール管理やルールを決めそれを遂行する能力が必要となります。

逆を言えば、それさえできてしまえば治療院に就職するよりも収入や活躍の場が増え、ただの施術者の枠に収まらないマルチプレイヤーとして活躍できるでしょう。


執筆者情報

柔道整復師・鍼灸師
早津 太一(はやつ たいち) 先生

柔整の学生時代から接骨院での研修を行い、卒業後は鍼灸学科に通いながら柔整師として勤務。14年の経歴の中で大手グループ院の院長などを経験。
テニス肘や野球肩などスポーツ外傷の施術が得意。

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