理学療法士の仕事は、病気や怪我、加齢によって運動機能が低下した人に対して、運動療法や物理療法を用いて機能回復を支援することです。近年、高齢化社会の進展や健康意識の高まりに伴い、理学療法士の需要はますます増加しています。
それに伴い、理学療法士の活躍の場は病院だけでなく、多岐にわたるようになってきました。企業やスポーツ現場、介護施設、教育機関など、活躍の場は広がりを見せています。
今回のセミナーでは、西野学園 札幌リハビリテーション専門学校の学生さん向けに、病院以外の場所で働く理学療法士、企業で活躍する方、そして独立開業を果たした理学療法士の方々をお招きし、それぞれの立場から見たキャリアパスについて語っていただきました。
登壇者紹介
グレートジョブ事業責任者 佐藤 靖彦
- 医療介護業界向けの求人サイト「グレートジョブ」の立ち上げ・運用に携わる。
- 不動産IT企業で不動産関連のサービスの営業職や採用担当、事業部長を経験。
- 理学療法士のキャリアステップに興味を持ち、今回のセミナーに登壇。
- グレートジョブは、医療・介護業界に特化した求人ポータルサイト。看護、介護、代替医療(柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)、リハビリを中心とした幅広い職種の求人情報を提供。
株式会社フィールドクルーズ代表取締役 大野 大地
- 札幌リハビリテーション専門学校卒業生。
- 北海道医療大学大学院リハビリテーション科学修士。
- 株式会社フィールドクルーズ代表取締役。
- 自費訪問サービスを展開。
- 病院、介護老人保健施設、デイサービス、訪問看護、フィットネスジムなど、多様な現場を経験。
- 理学療法士としての経験を活かし、独立開業。
株式会社AHプロジェクト代表取締役 しもの まさひろ
- あへあほ体操創始者。
- 元陸上自衛隊駅伝強化選手。
- トレーナーとして20年のキャリアを持つ。
- 理学療法士ではないものの、理学療法士と関わる機会が多く、そのキャリアに興味を持つ。
病院以外で働くという選択肢
理学療法士の就職先として、これまで病院が一般的でした。
しかし、近年では病院以外で働く理学療法士も増えています。
病院以外での働き方
- 企業内理学療法士
- スポーツトレーナー
- 介護施設
- 開業
- 教育機関
- 福祉用具関連会社
- ケアマネージャー
- ヨガ・ピラティスインストラクター
病院以外での働き方
病院以外の現場で働くためには、理学療法士としての専門知識に加えて、さまざまなスキルが必要となります。
必要なスキル
コミュニケーション能力
患者さんやクライアントとの信頼関係を築く上で、コミュニケーション能力は非常に重要です。
相手の話を丁寧に聞き、自分の考えをわかりやすく伝えることが大切です。
また、周囲の人と協力して仕事を進めるためにも、良好なコミュニケーションを図ることが重要です。
マーケティング能力
自分のサービスをどのようにアピールし、顧客を獲得するかを考える必要があります。
特に、開業する場合には、マーケティング能力が不可欠です。どのような顧客をターゲットにするのか、どのような方法でサービスを宣伝するのか、などを検討する必要があります。
ブランディング力
他の理学療法士との差別化を図り、自分の価値を高める必要があります。自分の強みや専門性を明確にし、それをアピールすることで、顧客から選ばれる存在になることができます。
自己研鑽
理学療法士の仕事は、常に新しい情報や技術が求められます。最新の知識や技術を習得するために、学会や研修会に参加したり、専門書を読んだりするなど、自己研鑽を続けることが大切です。
専門知識の深掘りと応用力
専門知識を深めるだけでなく、それをさまざまな状況に応用できる能力が必要です。特に、病院以外の現場では、患者さんの状態やニーズが多岐にわたるため、臨機応変に対応できることが求められます。
問題解決能力
患者さんの抱える問題を解決するためには、問題解決能力が必要です。患者さんの状態を正確に把握し、適切な解決策を提案できる能力が求められます。
登壇者からのメッセージ
理学療法士の皆さんには、ぜひ広い視野を持ってキャリアを考えてほしいと思います。病院以外の選択肢を知ることで、自分の可能性を広げることができます。そのためには、コミュニケーション能力やマーケティング能力など、さまざまなスキルを身につけることが重要です。
また、学生時代の友人とのつながりを大切にすることも重要です。社会人になると、なかなか新しい出会いがありません。学生時代の友人とのつながりから、新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。
グレートジョブは、そんな理学療法士の皆さんのキャリア支援をしたいという思いから生まれたサービスです。ぜひ、グレートジョブを活用して、自分にぴったりの仕事を見つけてください。
理学療法士としての経験を活かし、独立開業という道を選ぶこともできます。開業する際には、自分の強みを活かしたサービスを提供することが重要です。また、経営者としての視点も必要となります。
理学療法士の武器は、個別性です。一人一人の患者さんにオーダーメイドでプログラムを作れるという強みを活かして、サービスを提供していくことが重要です。
また、自分の力量と仕事内容をマッチさせることも大切です。やりがいを感じながら仕事をするためには、自分のスキルに合った仕事を選ぶ必要があります。
常に新しいことにチャレンジし、自分を成長させていくことが大切です。
あへあほ体操の考案者として、トレーナー活動をする中で、理学療法士の皆さんと連携することの重要性を感じています。お互いの専門知識を共有することで、より質の高いサービスを提供できると考えています。
相手に何かを提供できるものを持っていることが大切です。自分が何をやりたいのかを明確にし、その上で人とのつながりを広げていくことが重要です。
質疑応答
学生時代の友人とのつながりを大切にすることも重要です。学生時代の友人とのつながりから、新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。
理学療法士の未来への展望
今回のセミナーを通して、理学療法士の活躍の場が今後ますます広がっていくことを確信しました。
高齢化社会の進展に伴い、理学療法士の需要はますます高まっています。それに伴い、理学療法士の役割も変化していくことが予想されます。
理想的な未来に向けて
予防医療への貢献
理学療法士は、病気や怪我を予防するための運動指導や健康教育など、予防医療の分野でも活躍が期待されています。
地域住民の健康増進に貢献することで、健康寿命の延伸に貢献することができます。
地域包括ケアシステムの中核を担う
地域包括ケアシステムとは、住み慣れた地域で自分らしく生活を続けられるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に提供される体制のことです。
理学療法士は、地域包括ケアシステムにおいて、中心的な役割を担うことが期待されています。
AIやテクノロジーの活用
AIやウェアラブルデバイスなどのテクノロジーを活用することで、より効果的なリハビリテーションを提供することが可能になります。
理学療法士は、これらのテクノロジーを積極的に活用していく必要があります。
国際的な活躍
理学療法士の活躍の場は、日本国内にとどまりません。
国際的な視野を持ち、海外で活躍する理学療法士も増えています。
多職種連携の推進
他の医療専門職と連携することで、より質の高い医療を提供することができます。
理学療法士は、多職種連携の重要性を認識し、積極的に連携していく必要があります。
理学療法士の皆さんは、ぜひ今回のセミナーの内容を参考に、自分の可能性を最大限に活かせるキャリアを築いていってほしいと思います。
まとめ
理学療法士のキャリアパスは多岐にわたります。病院以外でも、さまざまな場所で活躍することができます。
大切なのは、自分の強みを活かせる場所を見つけることです。そのためには、積極的に情報収集を行い、さまざまな人と交流することが重要です。
また、常に新しいことにチャレンジし、自分を成長させていくことが大切です。
今回のセミナーが、理学療法士の皆さんのキャリアプランを考える上で、少しでも参考になれば幸いです。
グレートジョブについて
今回の登壇者でもある、佐藤が立ち上げ・運用に携わっているグレートジョブは、医療・介護業界に特化した求人ポータルサイトです。
グレートジョブの特徴
- 専門性: 医療・介護業界に特化しているため、関連する求人情報を効率的に探すことができます。
- 多様な職種: 看護師から介護タクシードライバーまで、幅広い職種の求人が掲載されており、キャリアの選択肢が豊富です。
- 詳細な検索機能: 施設や職種から細かく検索できるため、自分のニーズに合った求人を見つけやすくなっています。
- 無料会員登録: 無料で会員登録ができ、より多くの情報にアクセスできる可能性があります。
- マッチング精度: 「あなたにぴったりの素晴らしい仕事を検索できます」というキャッチフレーズが示すように、個人のスキルや希望と求人のマッチングを重視しています。
- 業界動向の把握: 医療・介護業界に特化しているため、業界の最新トレンドや求人動向を把握しやすくなります。
グレートジョブは、医療・介護業界で働きたい方々にとって、キャリアアップや転職の機会を見つけるための有用なプラットフォームとなっています。
編集後記
3名の登壇者の方々からは、理学療法士としてのキャリアパスについて、貴重なお話を伺うことができました。
病院以外で働くという選択肢は、まだまだ一般的ではありません。しかし、今回のセミナーを通して、理学療法士の活躍の場が今後ますます広がっていくことを確信しました。
理学療法士の皆さんには、ぜひ今回のセミナーの内容を参考に、自分の可能性を最大限に活かせるキャリアを築いていってほしいと思います。