【広告の3倍の効果?】現役柔整師が考える、お店の口コミについて

皆さまは「口コミ」にどんなイメージを持たれますでしょうか。

ご飯を食べに行くとき、新しい商品をネットショッピングするとき、そのお店や商品について調べるときなどで、口コミや他の購入者のレビューを見たりを見る方も多いのではないでしょうか。

評価の星の数が3つなのか4つなのか、星が多かったり、良いコメントがあると安心ですよね。

海外の調査では、ある商品に対する情報発信においては、

広告 → 他ユーザーによるレビュー → 友人や家族によるレビュー の順番で信頼度や影響力が高いというデータがあります。

なんとその差は3倍にもなるそうです。

この考え方は整骨院、治療院の世界でも同じだと思ってます。

今回はその「口コミ」について触れたいと思います。

口コミの種類や系統

一口に「口コミ」といっても、大きく分けて2種類が存在します。

  1. 実際にホームページやGoogle、Yahoo!などに記載される口コミ(目に見えるもの)
  2. 来院したことがある患者さまが周囲に伝達される口コミ(目に見えないもの)

当然ですがどちらも重要です。

特に治療院経営をしていく上で、②のみで成り立っていくことが、低コスト経営かつ高信頼度の、本当に安定した経営といえる本来の治療院が目指す姿です。

ただ、基本的には①も②もどちらも必要になっていきます。

それぞれ解説します。

実際にホームページやGoogle、Yahoo!などに記載される口コミ(目に見えるもの)

例えば、患者さまが初めて来院されるまでの経路は、

腰を痛める → GoogleやYahoo!などで「○○市 腰痛」と検索する → 多数の院がヒットする → 迷う → 店舗比較する → より行きたい方を選ぶ → 来院 となります。

最近はどこの治療院さんも綺麗にホームページを作られていて、激戦区では患者さまはどこに行こうか本当に迷うかと思います。

同じようなホームページの作りこみ、写真やお客さまの声などがあれば、

” とりあえず口コミが良いほう、多いほうに行ってみようかな

となると思います。

治療院の経営側としては、腰痛の患者さまを集患したかったら「腰痛が治った」という口コミをたくさん集めたいと思うことでしょう。

そこで必要となるのが、通院中の患者さまへ「患者さまからの声」として、

  • ツーショット写真
  • 感想コメント
  • Google口コミの投稿

などをお願いすることがとても有効です。

「類は友を呼ぶ」ということわざがありますので、良い写真の表情や良いコメントに共感した患者さまが必ず来てくれます。

患者さまの予約キャンセルが多い、途中離脱される患者さまが多い、といった状態で悩まれている施術者の方は、こういった施術以外の部分でも対策が必要かもしれません。

一口に「口コミを集める」といっても、上記のように実際の患者さまからのお声や感想、いわゆる ” 質の良い口コミ ” を集めることが重要です。

まだホームページ内に口コミや患者さまの声が少ない治療院は、まずその数を集めることが必要かもしれません。

「口コミ」の集めるにはどうすればよいか

基本的に治療院の場合、ホームページやネット上の口コミは勝手には増えません。

口コミ投稿されるタイミングとしては、

パターンA:施術や効果に感動して自主的に投稿する (※これは稀です)
パターンB:不満を感じて自主的に投稿する
パターンC:施術者が投稿(記入)をお願いする。

に分かれると思います。

口コミの掲載や投稿が多い治療院さんは、基本的にはパターンCです。

ここで必ず理解しておきたいのは、決して無理やり書いてもらうのではなく、「同じように痛みで困っている、悩んでいる他の患者さまももっと救いたい」という熱い気持ちが重要です。

そういった想いを持った上で、 患者さまの施術をする → 結果を出す → 関係構築をしていく が重要です。

来院したことがある患者さまが周囲に伝達される口コミ(目に見えないもの)

前述でもしましたが、この「口コミ紹介で新規来院」で成り立っている治療院さんはとても強いです。

信頼される知人からの紹介ですので、来院する前から施術者(院)に対してある程度の信頼度が高まっています。

まったくの新規の患者さまとなると、” 初めてだけど大丈夫か ” ” (お金)高くつかないか “ など不安があると思います。

それに比べ紹介の場合、その不安感は少なく、信頼度が高い状態で施術者の説明を受けますので納得・理解をしてくれやすい、心身ともに安心したリラックスした状態で施術を受けられるので施術効果が出やすいなど、様々なメリットがあります。

そしてなにより、紹介というのは集客コストがゼロということです。

紹介以外の新規患者さまの来院では、ホームページ、ポータルサイト、チラシなどで必ずコストが掛かっています。

新規患者さまが1人来院されるためにいくらお金がかかっているか、これを「CPO(コスト・パー・オーダー)」といいます。

例)
月間ホームページ運営費 20,000円
広告費 50,000円
チラシ 30,000円

1ヶ月に掛かる宣伝広告費が合計 100,000円 だとします。

月間の新規来院数が10人であれば、
宣伝広告費 100,000円/新規来院数 10人 =
1ヶ月間のCPOは【10,000円】になるという計算です。

治療院経営において、このCPOを下げることはとても重要視されています。

紹介に経費は掛かりませんので、このCPOを下げることは簡単に出来、また紹介が多いのなら広告費を下げることの判断もできます。

個人的にですが、一般的にCPOは10,000円前後で想定している院が多く感じます。

私の知人の院では、CPOを2,000円程度のとても理想的な治療院経営をされている先生もいらっしゃいます。

紹介をもらうためには

簡単に「口コミ紹介」をもらうことはできません。

その患者さまに ” 口コミ紹介をしたい ” と思ってもらい、実際に口コミ紹介をしてもらうフェーズに移行するには、いくつかのハードルがあり、それを超えないと紹介は生まれません。

  • 施術効果があり、症状改善されている
  • 患者さまよりその施術者(院)を応援したいと思ってもらえている
  • 他院とは違う魅力的な「何か」がある

この辺りは、私が常に意識しているポイントです。

コンビニより数が多いともいわれるこの業界で、特に個人院は他院との差別化(強み)が無いと、大手のグループ院さんや近隣の治療院さんにすぐ淘汰されてしまいます。

自分が施術者として患者さまに施術をして、その患者さまが家に帰られ、家族や知人へ

「あそこの院は○○な院だったよ」

という話を何気なくするかと思います。

” 自分はどういう風に言われているんだろう? “
” こういうふうに言われていたいな “

など、じっくり考えてみましょう。

そこを深堀りしていくことが「強み」になり、また「差別化」になっていくと思います。


執筆者情報

柔道整復師
丸田 拓弥(まるた たくや) 先生

【経歴】
西武ライオンズ個人トレーナー
高校野球トレーナー(千葉県、東京都、長野県)
独立開業11年目
やわら接骨院を2012年院長して開院する。

公式ホームページ:
やわら接骨院 https://m-yawara.com/

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