【もう男の職業じゃない?】柔道整復師の男女比について

※写真のモデルはイメージになります。

専門学校での ” 男女比 ” について

例年、柔道整復学科には約3割ほどの女性生徒が学業に勤しんでおります。

受験年度によってはクラスの約半数が女生徒を占めるということもありますが、基本的には鍼灸学科に比べ女生徒が比較的少なめだという実情があります。

10年程前までは男性の職業としての認識が強く、1クラス約30人に対して女性はたったの6人という年もありました。

イメージでいうと、看護師や保育士など元々女性しかいなかった業界に少しずつ男性が進出しているのと反対で、元々男性だけの業界だった場所に女性が進出しているといった感じです。

でも、これを聞いて否定的に思うのはまだ早いです!

同学年の年齢差については、高校卒業後そのまま進学される方がクラスの1/3〜半分ぐらいとなる傾向があるので、それら以外の方は皆さん社会人上がりの方です!

そのため年齢もバラバラになり、クラス内はファミリー感や助け合い感あるため、女性が少なくても在学中はとても楽しく切磋琢磨しながら国家資格を目指すことができます。

” 女性の柔道整復師 ” が必要とされる実情

女性の柔道整復師自体の数が少ない背景もあることから、女性スタッフの採用を求める接骨院や施設も数多く存在します。

※女性の柔道整復師向けの働き方や勤務形態、将来設計など、こちらのコラムにもまとめております。

上記コラムでも触れておりますが、やはり女性柔道整復師に求められる要因として、

  • 女性患者さまへの施術対応
  • (女性患者さまへの)細かな気遣い
  • (男性患者さま含め)患者さまの心の拠り所の提供

などが挙げられます。

柔道整復師業と併せて、女性が本来持つスキル・テクニックを現場でも求められているからだと私は思います。

また女性患者さまで多いケースとして、

  • 女性施術者が多く在籍する院
  • 女性施術者のみが在籍する院(レディースクリニックなど)

などをわざわざお探しになり、来院される患者さまも比較的多いと感じます。

その理由として「男性施術者に身体を触られることに抵抗がある方」「女性同士で理解いただきやすい」などさまざまあり、女性柔道整復師はとても必要とされていると感じます。

女性柔道整復師は ” 少ない “からこそ、進路は多岐にわたる

柔道整復師の資格所有者は例年増え続ける中、女性柔道整復師が少ない現状は長年続いているため、女性柔道整復師の需要は高い水準のままです。

進路も自分の好みで多方面に就職可能なため、国家資格として持っていても損はないと思います。

では、女性柔道整復師の進路先として、どのような職場が選ばれているのかを少し触れてみたいと思います。

圧倒的に多いのは、【接骨院】【整骨院】への就職です。

生徒のうちの大半は、この道に進みます。

次に多いのが、【整形外科への就職】【スポーツトレーナー】としての道です。

特に整形外科は、接骨院や整骨院に比べ、急性外傷の種類も数も多く携わることができるため、魅力的な職場の1つだといえます。

その他の就職先としては、【整体師】【リラクゼーション施設】【エステ】など幅広く活躍の場があり、資格を持っていることでワンランク上の技術を提供できるのも求められる要素の1つです。

柔道整復師として心強い ” 独立開業権 ” について

柔道整復師や鍼灸師の最大の特徴として、他の資格にはあまりない「独立開業権」があり、資格を取得すると個人で接骨院や整骨院を開業する権利が与えられます。

これは「どこかに就職する」もしくは「自分自身で独立し経営する」という選択肢を幅広く持てる資格です。

ただ、独立開業ならではの注意点を説明したいと思います。

「柔道整復師施術管理者研修」という言葉をご存知でしょうか?

柔道整復師免許を取得しても、学校卒業後すぐに「よし、接骨院を独立開業するぞ!」という気持ちがあったとしても開業できない現実があります。

それは、平成30年4月1日より導入された「柔道整復師施術管理者研修」があり、接骨院・整骨院に関する施術管理者を担わないといけない場合、受講が必須になるからです。

受講条件には接骨院などで、柔道整復師として1年以上の実務に従事することが決まっており、実務経験期間が達していれば2日間合計16時間の管理者研修を受けることができます。

管理者研修を終えると施術管理者証明を与えられ、はれて「受領委任制度取り扱い可能な接骨院」として開業することができます。

現在、令和4年4月1日からは【実務経験が2年以上】になっており、さらに令和6年4月1日からは【実務経験が3年以上】に延長されることが決まっています。

” 将来自分のお店を持ちたい ”
とお考えの方は注意が必要です。

できるだけ早い段階から ” 資格取得後の将来 ” を見据えておく

資格取得後、どのような進路を選択するかあらかじめ方向性を見出せておくと、就職までがとてもスムーズになり新たな次ステップの目標立てもしやすくなります。

男性であれば、
・独立開業
・雇われ院長
・整形外科勤務
・スポーツトレーナー

など、広い角度でより長い期間の将来設計を視野に入れてもいいですね。

女性は特に就職後の結婚・出産・子育てなど、働くことが難しくなるブランク期間からの復帰も視野に含め、自分に合った職場や目標立てをしておくと安心して仕事に取り組むことができます。

男性・女性関係なく国家資格だからこそ再就職も可能なので、挑戦してみたいことがあれば果敢に挑んで経験を積むというのも1つの手ですね。

前述にある「柔道整復師施術管理者研修」を受ける場合、令和4年4 月より実務経験が1年→2年となり、柔道整復師として保険医療機関で実務に従事した期間も認められることになりますが、保険医療機関での実務経験は1年で、1年間は施術所での実務経験が必要という注意点も念頭に入れておきましょう。


執筆者情報

柔道整復師
上垣 美妃 先生

【経歴】
朝日医療専門学校広島校卒
卒業後接骨院に3年勤務
出産育児のため3年専業主婦をし、2児の子育てをしながら令和元年に独立開業

RSS 柔整ドットコム